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胆嚢がん

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胆嚢がん

胆嚢は肝臓の下にあり、大きさは7~10㎝の洋ナシ形をした臓器です(図1)。その働きは、肝臓で作られた肝胆汁を一時的にためて濃縮し、食べ物が胃から十二指腸に運ばれてくると、胆汁を十二指腸に送ります。胆汁は膵液の働きを助け、脂肪の吸収を助けます。
 胆嚢の構造は四層構造で、粘膜、固有筋層、漿膜下層、漿膜から構成されています(図2)。その厚さは2㎜前後と薄い壁構造になっています。

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胆嚢の画像診断

 胆嚢の画像診断として、最初に行われることが多いのが超音波検査です。これは人間ドックでも良く行われている検査です。図3に示すのが健康な方の超音波による胆嚢の画像です。同じ方のCT画像は図4です。
 超音波検査では胆嚢の内部をよく表すことが出来ます。胆石(図5)はもちろん、図6のような3㎜ぐらいの小さなポリープもしっかりととらえる

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症例一

 最初はPET健診で胆嚢がんが見つかった方です。PET健診をお受けになるきっかけは、過去に乳癌で手術しているために、がんが怖くてお受けになったそうで、特に身体に異常はありません。
 当院のPET健診では最初に超音波検査を行います。超音波検査の画像が図7です。胆嚢の中に不整形な塊(赤↑)があり、胆嚢の壁が厚くなっています(緑↑)。しかも胆石(黄↑)も見られます。超音波検査だけでは、これががんであると診断は出来ません。しかし只者ではないことだけは確かです。

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 PET検査を行ったところ、肝臓の下にFDGの集積(図8↑)が見られました。横断面(図9)では、胆嚢の中にFDGの高集積が見られ、しかも二箇所に分かれて集積しています(図9赤↑)。さらに複数の胆石も認められました(図9黄↑)。
 自覚症状もなくPET上はリンパ節転移、遠隔転移も見られないので、手術による胆嚢切除となりました。その後も定期的に検査をしていますが、再発は見られません。決して早期の発見ではありませんが、予後の良い例です。

症例二

 2ヶ月前より右季肋部痛出現し、近くの医院で胆石胆嚢炎として治療していましたが、その後もしばしば痛みや発熱出現し、総合病院を紹介されました。総合病院でCT検査を行ったところ、胆嚢壁に不整形な肥厚が見られ、腫瘍マーカーのCA19−9が異常なほど高くなっていました。そこで胆のう癌を強く疑ってPET検査となりました。図10がPET画像です。胆嚢全体にFDGが高集積(図10赤↑)していて、黄↑で示すリンパ節には転移が認められます。
 既に進行がんとなっていて、完治の困難な例です。

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症例三

 2年毎にPET健診をお受けになっている方です。PETでは胆嚢を含め身体全体にFDGの高集積は認めませんでした。しかし超音波検査で胆嚢ポリープが多数あり、2年前よりも大きくなっていて、最大のポリープは10㎜を超えていました。そこで、胆嚢を切除することを勧めた方です。術後ポリープの細胞を調べたところ、顕微鏡で見てわかる程度の小さながんが見つかりました。これは偶然に見つかった症例で、実際の早期の胆嚢がんは見つけることは困難です。

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まとめ

 胆嚢は肝臓の下に隠れるようにして存在しており、胆嚢がんは見つけにくいがんの一つです。しかも早期の胆嚢がんは自覚症状はなく、自覚症状による早期発見は困難です(多くのがんも同様です)。
 胆嚢がんの自覚症状として、黄疸、胃上部の疼痛、発熱、悪心、嘔吐などがありますが、いずれも胆嚢がん特有の症状ではなく、しかもこのような症状が出たときには、症例2のように進行がんであることが多いです。
 胆嚢は図2で示すように薄い膜構造なので、がんが出来ると比較的早く浸潤して隣接する肝臓や、リンパ節に転移しやすいです。そのため予後の悪いがんでもあります。
 胆嚢がんは女性に多いがんで、その発生率は男性の2倍です。さらに60歳以上の方に多いがんです。また胆嚢がんの70%に胆石が存在しますが、胆石のある方が胆嚢がんになる確率は1~5%です。
 症例3のようにポリープが10㎜以上になるとがん化することがあり、注意が必要となります。胆嚢に胆石や胆嚢ポリープのある方は、定期的な超音波検査が有効です。また、胆嚢がんが見つかった場合は、PET検査にて転移の状態を知ることが、治療方針の決定に重要です。

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