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介護制度について考える 第26回

西村教授0

グループホームへ

入所先が見つかった

 父の入る施設を探し始めて二週間、やっと入所先が見つかりました。Kグループホームです。グループホームとは、正式には「認知症対応型共同生活介護」と呼ばれる介護保険サービスのひとつで、パンフレットによれば「認知症の高齢者が、家庭的な雰囲気の中、少人数で共同生活を送ることにより、症状の進行を緩和させ、より良い日常生活を送ることができるよう支援する介護サービス」とのこと。
 Kグループホームは一フロアの定員が九人で少人数の暮らしを提供してくれます。先号で述べた特別養護老人ホームとは違い、居室は賃貸契約を結んで借りなければならず、そのぶん月々の費用負担が多くなりますがそこで受ける介護サービスには介護保険が使えます。それでも毎月二十万円ほどの自己負担となります。特養などに比べると割高ですが少人数タイプで個室を使える介護環境は魅力的です。なんといっても待機せずにすぐ入所できるのが決め手でした。父の年金と子どもたちからの仕送りで何とか費用の工面は可能でしたし実家からもクルマで十分足らずと近く、母が訪問するのにも便利なので迷うことなくKグループホームにお願いすることにしました。またKグループホームの母体である社会福祉法人N福祉会は札幌南部を中心に多くの介護保険施設や事業所を展開する法人で、介護の質にも定評がありました。

入所手続き

 以上のような施設さがしや入所の相談などは私が名古屋に居ながら電話や電子メールで行いました。インターネットのおかげで施設の情報は簡単に入手できますし、父や母を担当するケアマネジャーからも意見を聞くことができ情報の比較検討も可能でした。
 しかし実際に入所するための用意や手続きのためには、やはり札幌に出向かなければなりません。仕事をやりくりして札幌に出かけ、Kグループホームを訪問。インターネットでしか見ていなかった外観や施設内のようす、居室などを実際に見て、納得の上で手続きをしました。居室部分は「賃貸物件」なのでアパートを借りるのと同じ賃貸契約書を交します。介護についてはサービス利用契約。ベッドはレンタル契約。車イスは購入・・・その他いろいろな契約書にサイン、押印の繰り返し。いつもながら介護サービスの利用にはたくさんの書類が必要です。
 それを済ませたら父の居室の準備。寝具を自宅から運び、身のまわりの生活用具や衣類を調達して居室内の物入れに整頓します。
 季節は晩秋でしたが額に汗を滲ませながら一日で入居の準備を済ませました。

病院から施設へ

 翌日、父は半年間入院していた病院からグループホームへと移送されました。移送は施設が用意した車イスごと運べるワゴン車を使い、グループホームの職員がやってくれました(写真)。五月に入院して以来半年ぶりに外気に触れる父。入院中に家族の顔も判別できないほど認知症が進んでしまいましたが、さいわいなことにいつもごきげんで、周囲から声をかけられると明るく返事をするようなボケかたでした。グループホームに着いても違和感なく職員の声かけに応じていました。
 これで父のほうはひと安心。実家に一人で暮らす母の支援に専念できるようになりました。

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