介護制度について考える27


西村教授0

介護施設をチェックする

グループホームの生活

 二〇一三年十一月、父のKグループホームでの生活が始まりました。施設は二階建てで父の生活の場は二階のフロアでした。居室は約十二平米で、介護用ベッド、物入れ、洗面台が付いています(写真)。
 歩行不能でベッドと車イス上で暮らす父にとっては十分な広さです。通気、採光、清潔さなども申し分ありません。
二階にはこうした個室が九部屋あるほか、入居者の共有スペースや家族との談話室、トイレ等が設けられています。

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家族としてこの居住空間には満足できました。
 でも、入所してしまえばひと安心、との油断は禁物。住み心地や介護の状況をチェックすることが大切です。

大切なチェックと注文

 重い認知症の父ですから、自分で介護への要望や不満を口に出すことは出来ません。ですから家族が施設での生活や処遇を把握して、注文すべきことはきちんと伝えることが必要です。医療や介護の利用者や家族は「お世話になっているから苦情を言いにくい」という立場にあります。しかし「お世話していただいている」という感謝はしつつも、施設への疑問や要望や苦情はできるだけ言う。それが、利用者にとっても施設にとってもプラスになります。
 私は父の入所にあたってまずKグループホームの外部評価を参考にしました。介護施設は外部の専門機関による評価を受け、それを公表することとされています。Kグループホームもインターネット上に評価結果を公開していました。公開していなくても入居の相談の際に結果の閲覧を求めることができます。

父の身辺と表情を見る

 しかし施設の評価はやはり入居者本人に聴くのが一番です。と言っても認知症の父に施設の評価を直接に語ってもらうことはできません。ですから、父に面会に行くとき、身辺のようすや父の表情から居心地を推測するのです。私の妻は介護福祉士であり高齢者施設での勤務経験もあったので、そのあたりのポイントは良く心得ていました。
 まず父の身辺を見渡します。居室の清掃が行き届いているか、寝具の汚れはどうか、ひげや頭髪の手入れがされているか、口の中の汚れはないか、爪の伸び具合や垢などがないか、などを見ると介護のレベルが分かります。また、施設全体の匂いや整理整頓の具合、職員同士の言葉づかい、観葉植物等の手入れや掲示物の更新などもチェックポイントになります。
 そして何よりも本人の表情が日々の暮らしを物語ります。たとえ認知症であっても、呼びかけへの反応が豊かか、ご機嫌な表情があるか、特定の職員へ嫌悪感や怯えの表情を示すことがないか、などのチェックは可能です。
 さいわいKグループホームは期待どおりの介護を提供してくれるようで、私や母が面会に行くたびにご機嫌な父の表情に出会え、安心を深めることができました。

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