シニアの知って「得」する国の制度 第20回


65歳からもらえる国民年金。早くもらうと、どうなる?

「国民年金は65歳」(支給開始年齢)

 前回、主に老齢厚生年金の支給開始年齢についてご説明しました。それに伴って少し触れていましたが、今回は「国民年金である老齢基礎年金」の支給についてのお話です。老齢厚生年金は男女、生年月日、厚生年金の加入実績で人それぞれ違うというものでした。しかし、老齢基礎年金についてはそれらにかかわりなく「誰もが65歳から」と決まっています。

前倒しで受け始める「繰上げ受給」

 60歳を迎えると、それまでの状況と事情が変わってきて、年金を受けないと生活に困るということが起こってきます。また、健康状態なども加齢とともに不安になってきます。そこで、65歳を待たずに早くから年金を受給できるという仕組みがあり、それが「老齢基礎年金の繰上げ受給」です。前回ご説明した「特別支給の老齢厚生年金」とはまったく別個で考えます。あくまで、「65歳からの年金を、それより早く受けるかどうか」です。
 よくテレビなどで「年金は早くもらうと減らされて、それが一生涯減額されたまま」という話が出ます。これが今回の老齢基礎年金の繰上げ受給です。最高で5年早めてもらうということは、国はそれだけ多くの回数を支払うことになります。ローンなどの繰り上げ返済で利息などがその期間に応じて安くなる、つまり減額されることとよく似ています。

繰上げによる「損得」

 繰上げが良いか、普通に65歳まで待ったほうが良いかは、人それぞれです。最終的な判断は実際年金を受給する本人です。繰上げたほうが良い場合とは、一般的に「ローン返済がある」「預貯金がない」「病院や介護施設に費用がかかり生活が厳しい」「癌などで65歳まで生きられない」などがあげられると思います。
 これらの状況の人は、まず年金収入が確保されるのでいくらかの安心感はありますし、余命宣告されている場合などは亡くなったらそれ以降受給できないので、先にもらって家族に少しでも残すことができます。ただし、繰上げることによって障害年金を受けられなかったり遺族年金で不利になったりと落とし穴もありますので、注意してください。
 特に病気等もなくて「いつ死ぬかわからない」と思われている人は「長生きするかもしれない」という可能性も一緒に考えてみると良いと思います。とにかく先にもらってしまおう・・・という選択をする前に、年金事務所や専門家に相談することをおススメします。
 なお、いつから繰上げ受給するかにもよりますが、繰上げによって損得がひっくり返るのは一般的に75歳くらいといわれています。繰り上げた場合には、長生きすればするほど損になります。

 さて、次回は年金の世界で扶養手当に相当する「加給年金額」についてのお話です。お知り合いやお友達と年金の話題になったときによく出てくるものです。加給年金額に興味のある方は必見です。

有限会社CSプランニング

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