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親の介護 『嚥下』『胃ろう』…って何?        アルツハイマーの母から学んだこと その二十一

介護をするまでまったく知らなかったことばかり

母の容態が変わっていく過程で私に問いかけられていると思う『命』というテーマに、私なりにその時々の思いや気持ちの移り変わりなどをとりとめのないまま記してきました。現在『中心静脈栄養法』という太い血管にチューブを入れ、計算された1日800余キロカロリーの栄養を補給する方法で母の命は維持されています。そのことへの私のとらえ方からは少し離れ、今の措置に至るまでの経緯を改めて振り返ってみたいと思います。不勉強な私には『嚥下』『胃ろう』『持続点滴』など介護をするようになるまではまったく知らなかった言葉です。そんな自分を省みないでいたのであまりにも説明が不足していたと思い、これまでの補足と私自身の認識を再度深めるためにも整理してみます。

嚥下(えんげ)に苦しむ人にとっては食事も大仕事

普通に口から食事として栄養補給ができなくなるようになってからの母への措置として「胃ろう」になる前に短期でしたが「経鼻経管栄養法」がありました。鼻から胃に直接チューブを入れ栄養を摂る方法です。『嚥下(えんげ)障害』のある人によく用いられるやり方だそうです。
年齢を増すと食事をするのにも困難を生じることが多くあります。食べ物を噛み、飲み込む嚥下がスムーズにいかなくなることはよく聞きます。母の場合はアルツハイマーに拠るところが大きいようですが、一般的には高齢により歯が失われたり、舌の運動機能や噛む力の低下、さらには唾液の減少などが原因のようです。

『生きるため自分との戦いの日々』

嚥下が上手くできなくなることで食べ物が気道に入ってしまう『誤嚥(ごえん)』による肺炎をおこすこともあります。いわゆる『誤嚥性肺炎』です。母は食事が摂れなくなったころ一時、軽い肺炎になりました。
実は父も高齢により嚥下がうまくいかなくなり食事には苦労をしました。食べ物をつまらせむせたり、時に呼吸をするのにも辛そうな時がありました。そんな父を見て『生きるため自分との戦いを日々しているんだ』と思ったことがありました。私には楽しみである食事も、父にとっては思うようにならない自らの身体と生きようとする心が対峙する『修行』のようにも見えました。
誤嚥は窒息、肺炎など命にかかわる問題を引き起こすこともあると知りました。医師からのアドバイスで父の食事は食材を細かく切ったり、片栗粉でとろみをつけたりの工夫をしました。また父は病院で教えてもらった舌などの機能を高めるトレーニングもしていました。

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