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「農福連携」 福祉分野での農作業支援制度とは?④障害者の福祉/雇用

「農福連携を具体的にどうすすめればいいのか」「具体的にどうすればいいのか」と考えている作業所の方も多いと思います。今回は障害者の方の雇用とその支援策についてご紹介します。

 

施設外就労(農作業受託)を始めるには?

農作業に取り組むにあたって、農地を借り受けたり、購入することに不安を感じることもあると思います。そのような場合、次のような方法があります。

障害者就労施設が農作業を農業者から受託する「施設外就労」という方法であれば、比較的容易に農作業に取り組むことができます。
施設外就労とは、障害者就労施設が農業者と請負作業に関する契約を締結し、農作業の一部を受託するものです。請負契約に基づく報酬を、農業者が障害者就労施設に支払うことになります。

 請負契約      

        【農家・農業法人等】
    圃場での作業 ↑    ↓ 作業報酬
       【障害福祉サービス事業所】
    
障害者に支援スタッフが同行して、請け負った作業を独立して行うことから、障害者への作業指示等は支援スタッフが行うこととなりますので、事前に支援スタッフに作業内容を理解してもらうことが必要です。
なお、農業者が所有する機械類を作業に使用する場合には、使用貸借契約の締結も必要となります。

農業分野における施設外就労によって、
○障害者就労施設―受託作業の減少、自主製品の販売不振、収益の減少、作業賃金の低下、単調な室内作業に陥りがちなどの課題
○農家・農業法人等―高齢化による労働力不足などの課題
双方を改善することが可能です。

 

施設外就労(農作業受託)に関する支援策は?

地域で障害者に農作業などを請け負っていただく場合、障害者が農業経営体で農作業等を行うための環境整備などに要する経費の支援があります。

農山漁村振興交付金 (都市農村共生・対流及び地域活性化対策)

 

農業を活用した障害者福祉サービスを提供する場合に活用できる支援策は?

農業を活用した障害福祉サービスへの支援

農業の専門家による知識・技術の提供や6次産業化に向けた支援などを受けることができます。また、社会福祉法人等が整備する施設整備に要する費用の一部の支援があります。

工賃向上計画支援事業(農福連携による障害者の就農促進プロジェクト)

目的:農業分野での障害者の就労を支援し、障害者の工賃向上及び農業の支え手の拡大等を図るため支援します。
支援内容:就労継続支援B型事業所が、生産活動として農業を行う場合、農業の専門家による農業技術等のノウハウ支援を受けることができます。
問い合わせ先: 厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課社会福祉施設等施設整備費補助金

社会福祉施設等施設整備費補助金

目的:障害者の社会参加支援及び地域移行支援を更に推進するため、障害福祉サービス等の基盤整備を図ります。
支援内容:社会福祉法人やNPO法人等が、障害福祉サービス事業所を立ち上げ、障害者の就労支援を実施しようとする場合、施設整備の経費の一部を支援することができます。
問い合わせ先 :厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課

農山漁村振興交付金

農山漁村振興交付金により、障害者の就労・雇用などを目的とした福祉農園の整備等に要する経費の一部が支援可能です。

農山漁村振興交付金 
問い合わせ先 :農林水産省 農村振興局都市農村交流課

 

その他、社会福祉法人が農業法人を設立し農業等に取り組むケースもあります。制度や支援策を以下のホームページにまとめていますので、ご参照ください。

農業法人について
農業経営体向け支援活用ガイド

 

特例子会社について

特例子会社とは、企業が障害者の雇用を促進する目的で作る「子会社」のことです。

障害者の雇用の促進等に関する法律により、事業主は、雇用する労働者の2.0%以上の障害者を雇用するよう義務付けられていますが、事業主が障害者の雇用に特別の配慮をした子会社を設立し、一定の要件を満たす場合には、特例としてその子会社に雇用されている労働者を親会社に雇用されているものとみなして雇用率を算定することができます。これを特例子会社制度といいます。

平成28年6月1日現在で448社の特例子会社が設置されており、36社が農業活動を行っていることが確認されています。特例子会社の設置数は年々増加を続けており、今後も特例子会社は増加するものと予想されています。障害者が行える工業分野の下請け作業が減少する中で、障害の特性に応じた作業が可能である農業分野への進出が期待されています。

特例子会社によるメリット
(1)事業主にとってのメリット
・障害の特性に配慮した仕事の確保・職場環境の整備が容易となり、これにより障害者の能力を十分に引き出すことができる。
・職場定着率が高まり、生産性の向上が期待できる。 など
(2)障害者にとってのメリット
・特例子会社の設立により、雇用機会の拡大が図られる。
・障害者に配慮された職場環境の中で、個々人の能力を発揮する機会が確保される。 など

 

障害者雇用に関する相談先は?

障害者雇用に関するご相談については、まずは最寄りのハローワークへご相談ください。

ハローワークでは、障害者を対象とした求人の申込みを受け付けているほか、障害者に対しては、職業相談・紹介、就職後の定着指導を行っています。
また、障害者を雇用する事業主や雇用しようとしている事業主に、雇用管理上の配慮などについての助言や、必要に応じて他の専門機関の紹介、各種助成金の案内を行っています。

詳しくは以下の厚生労働省ホームページをご覧ください。

全国のハローワーク一覧

 

障害者を雇用する際のマニュアル等は?

「農業分野における障害者就労マニュアル」や「はじめからわかる障害者雇用事業主のためのQ&A集」がありますので、参考にしてください。

農業分野における障害者就労マニュアル

 

障害者雇用に関する支援策は?

障害者を雇用した場合に、活用できる支援策もあります。

障害者の雇用を促進するために、障害者が働きやすい職場環境の整備等に対する支援制度

障害者雇用納付金制度に基づく各種助成金

障害者が働きやすい職場環境の整備などを実施した事業主に対して、その費用の一部の助成を行う各種助成金があります。

(主な助成金)
障害者作業施設設置等助成金
障害者が作業を容易に行うことができるよう配慮された作業施設等の設置等を行った事業主に支給されます。(例:障害者1人につき上限450万円等)

上記以外にも各種助成金がありますが、助成を受けるには一定の要件を満た す必要があります。詳しくは以下の(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構ホーム ページをご覧ください。

障害者雇用納付金制度に基づく各種助成金の内容

 

農山漁村振興交付金

農山漁村振興交付金 
問い合わせ先 :農林水産省 農村振興局都市農村交流課

 

障害者を雇用した事業主に対する支援や、雇い入れ後の障害者の職場定着に関する支援

農の雇用事業

農業法人等が、障害者を含む就農希望者を雇用した後の、農業技術等を習得させるための実践的な研修(OJT研修)を行う場合に対して、1名当たり年間最大120万円(最長2年間)を支援しています。

農の雇用事業
問い合わせ先:農林水産省 経営局 就農・女性課

 

障害者を雇い入れた場合などの各種助成

①特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース、発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)
ハローワーク等の紹介により障害者等を雇用した事業主に対して助成金が支給されます。(例:中小企業の場合、最大240万円)
②障害者トライアル雇用
障害者を試行雇用として雇用した事業主に対して助成金を支給されます。

上記以外にも各種助成金がありますが、助成を受けるには一定の要件を満たす必要があります。詳しくは以下の厚生労働省ホームページをご覧ください。

障害者を雇い入れた場合などの助成
問い合わせ先 :都道府県労働局/ハローワーク

 

雇入れ後のジョブコーチ支援

雇入れ後、障害者の職場適応を容易にするため、地域障害者職業センター から職場にジョブコーチを派遣し、助言・支援しています。

問い合わせ先 :(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構

 

出典 農林水産省パンフレット「福祉分野に農作業を~支援制度などのご案内~」(第五版)

WEBワライフ「農福連携」 福祉分野での農作業支援制度とは?

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WEBワライフ「農福連携」 福祉分野での農作業支援制度とは?③農地の利用/農園の整備

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