愛知県のグループホーム整備促進支援制度②開設までの準備その２

愛知県のグループホーム整備促進支援制度①では開設までの準備として、資金計画や建物についてなど中心にご紹介しました。今回は、開設までの流れと開設にあたっての「大変なこと」「気をつけること」をお伝えします。

グループホーム開設までの流れ

開設にあたって以下のことをチェックしてください。

グループホーム事業の構想

グループホームの中身(どんなグループホームにするか)。
法人格を有無。
事業について市町村への相談。

事業計画の立案

入居定員数（4 名以上）。
収支見込み（自己資金の有無）。
緊急時における協力体制や日中活動系事務所、相談支援事業所との連携。
医療機関との提携。

事業所を設置する不動産の確保

設置基準は満たすこと。
建築、消防及び都市開発法令の適合の確認。
賃貸の場合、大家さんの了解。
地域に開かれた事業所として運営していくため、地域住民やボランティア団体等との連携や協力について検討し、取組を始めている又は始める予定となっている。

従業者の確保

基準上必要な職員（管理者、サービス管理責任者、世話人）。
土日の代替職員（ハローワーク、福祉人材センターの活用）。
雇用契約や委託契約を行い、研修や健診。

愛知県（または政令市・中核市）への指定相談

提出資料の準備。
事業開始の前々月の末日までに愛知県に提出（指定申請は、書類の不備等により１回で受理されないことが多く、書類の補正指導などで、少なくとも相談を２～３回経るため、相談は遅くとも前々月の上旬までに行う必要があります）。
生活用品や帳簿、個人記録の準備。

指定申請書類の提出

　　　指定の最終段階となる現地確認を受ける準備。

事業開始

　　　入居者を募集、決定し、実際の入居日を決めて事業開始。入居者の募集の際の市町村への連絡。

開設にあたって、大変なこと、気をつけること

人員体制

　世話人が集まらない等、人員体制の問題はよく耳にします。

　人員体制の構築は十分時間をかけながら行っていくことが大切です。例えば、スタッフが集まらない場合は、今のスタッフで支援できる人数からスタートしていく等、工夫をする必要があります。

支援に関する職員の意識改革

　グループホーム運営においては、365 日 24 時間いつでも入居者を支援できるようにしなければなりません。

　通所事業所からグループホームの運営を始めた法人では、通所事業所では当たり前とされていた“土日・祝日・盆休み・年末年始休日”という意識を変えるため、実際に職員に夜間や休日にバックアップ支援に入ってもらったという例があります。

入居者の生活スタイルの把握

事前の入居者の理解

　入居前に、入居前の生活スタイルを把握することが大切です。具体的には、どのよう暮らしをしているのか、誰と暮らしているのか、家族との関係など、入居前の生活実態を知り、あらかじめ入居者の理解を深めておくことが求められます。

個々の障害の把握と生活の尊重

　また、開設後も、利用者それぞれに今までの生活リズムがあることから、入居者同士の相性や関係性、障害の状況、個々の支援の内容などについても気を配り、一人一人の生活を尊重するようにしましょう。その一方で、グループホームは共同生活であるため、お互いに譲歩・協力していただく場面を考えていくことも必要です。

職員のフォロー

　ただ、譲歩・協力していただくことが多くなると、窮屈となり利用者への負担が大きくなってしまうので、その際は職員によるフォローが必要です。生活のリズムが安定し、利用者やその家族が落ち着くまでは、丁寧に関わることを意識しましょう。