WEBワライフ

三河・遠州地域の介護施設検索・介護情報総合サイト「ワライフ」

愛知県のグループホーム整備促進支援制度③開設までの準備その3

愛知県のグループホーム整備促進支援制度②では開設までの準備として、開設にあたって「大変なこと」「気をつけること」をお伝えしました。今回はその中身を具体的にご説明します。

 

地域住民の理解

 グループホームは、障害のある方の住まいの場であり、地域の一員として生活し ていく場所ですから、近隣住民を一同に集めた説明会を開く必要はありませんが、 引越し時に近隣住民に挨拶に行くことが慣習となっている場合は、同様の対応をさ れることが望まれます。

 なお、土地を購入して整備をする場合は、土地を購入した時、工事が始まる時等を節目に、個別に挨拶に行き、近隣の住民と早めに顔の見える関係を築いておけると良いでしょう。

 

地域との交流を深めるために

 開所後は地域の方たちとの交流を深めるためにも、町内会に入り、町内の清掃活動やお祭り等に参加し、顔の見える関係を築くことも大切です。また、事前 に町内会の会長に挨拶をしに行き、地域の状況を把握しておくことも大切なことだ と思います。

 

 

 

 

 

スタッフの確保

 開設にあたって多くの方が「人材の確保」に悩んでいます。そこでスタッフの募集、育成についてご紹介します。

世話人の効果的な募集方法

 応募が多いという点では、新聞の折込み広告は効果のようです。ただ、様々な方が目にしているためグループホームを全く知らない方の応募もあるようです。

 ハローワ ークでの求人(特に新規)でも一定の効果はあるそうです。いずれも、時期によって反応の大きさが違ったそうです(例、折込み広告では2月後半に広告を出したときには反応は ありませんでしたが、同内容で4月初旬に広告を出したときには応募が多くあったときもあったようです)。

 他には、在籍中の職員からの紹介(ご近所さん等)等が考えられます。

募集チラシの例

 世話人募集のチラシには、何を書けばいいのか、どれだけ詳細に仕事内容を書くべきかなど悩むところだと思います。 業務内容を詳細に記すと敬遠する方、大まかに記すと話が違うと言う方等様々みえ ますので、一概には言えませんが、参考として、実際に行ったやり方を紹介します。

「業務は具体例として特徴的なものを挙げ、「知的障害をもつ方への生活全般 (食事 提供、健康管理、余暇活動等)の支援・介助/地域・バックアップ施設との連携/事 業所・ホームの運営」と記載して、口頭で補足しました。さらに、詳細を説明できるように詳しい資料も用意して対応しました。」

 

 

採用後の研修

 実際の仕事を早くおぼえてもらうことが重要です。こちらも実践例をご紹介します。

最初は一定期間、先輩世話人の下で一緒に勤務をしてもらっています。そこで業務内容を把握していただき、一人で勤務をしてもらっています。また、3か月に1度、 ホームの全職員が集まりスタッフミーティング(職員会議)を開催して、外部研修の伝達(情報共有)等を行っています(「権利擁護」「強度行動障害」「ケー ス記録の書き方」「個別支援計画の作成」等のテーマを設けて、「世話人会」を開き、 研修を行っているところもあります)。」

 

 

長期間働いてもらえるために

やりがい」を感じる、でも大変な仕事

 福祉の現場で働く人、それも障害者を相手とした、対人援助の仕事は「やりがい」があります。しかし「優しい心のふれあいを目指してこの仕事を選んだ」といっても、 人と接することは、とても神経を使う仕事ですし、結果がなかなか出ない、何が起こ るか分からない毎日。経済的な見返りも重労働に比して低く、腰を悪くしたり、胃を壊したり、ストレスによりうつ病になってしまう人もいます。

「孤立」しがち、だからこそ大切な「同僚」

 ストレスを解消し人間関係を円滑にまわすためには、なんといっても「同僚」の存在が大事です。特に、世話人は一人職場が多く、日ごろの業務で困ったことも一人で 解決しなければならないことばかりかもしれません。また、対人援助の仕事は、成果 がすぐに表れるわけではなく形が見えにくいので、自分の仕事に達成感や自信がもて なくなることもあります。

地域のほかのグループホームとの繋がりや連絡会

 孤立しがちな世話人こそ、意識的に世話人同士が語らい、仕事の成果を確 認しあえる気の合う仲間(世話人ピア)が大事になってきます。世話人の仕事の辛さ と大切さは世話人同士が一番わかるのですから。時間を忘れていろいろなことを話す だけでも、ストレスの解消に繋がるものです。 地域のほかのグループホームと繋がりを持ったり、グループホーム連絡会といった ものがある市町村であればそこに参加する等して、世話人が孤立しない環境を整えま しょう。

 

経験の浅い人へのサポート

 ホーム会(そのホームに関わる世話人や生活支援員が集まる会)を定期的に開き、連絡や情報の伝達、近況報告、業務・支援の方法の確認等に努めています。 1か月に1回、定期的なホームへのバックアップとして、日中の事業所職員がホー ム職員と一緒にグループホームの業務に従事しています。お互いの動きを見て対応を確認したり、相談にのってもらったりすることも有効です。

 

 

 

NPO法人等の事業規模が小さいところの運営

 地域によっては、支援コーディネーターが、指定申請書類記入に関するアドバイス、連携施設としての協力、物件探しの手伝いを行っている例があります。また、世話人業務やホーム運営のノウハウを身につけるための実践研修を行っている例もありますので、こうした取組に参加されると良いでしょう。

 

 

 

 

防火対策

 複数の入居者が共同で暮らすグループホームでは、火災に対する安全対策は重要な問題です。自力避難が困難な人がいること、深夜寝泊まりする場所としての機能があること等を考えると普段からの備えが求められます。
 建築基準法や消防法等で、スプリンクラー、火災報知設備など設置基準やその他さまざまな規定がありますので、開設にあたっては必ず管轄の市町村、消防署等に相談、確認をしながら準備をすすめてください。

WEBワライフ「消防法改正に係る消防用設備等の設置について」

 

 

 

収益性、安定性について

 グルームホーム開設にあたって、将来の収益性、安定性について不安も多くあると思います。現実的な運営をどうするか、収益をあげるにはどうしたらいいかなどについて参考にしてください。

 

フレキシブルな人的対応や各種補助金の活用

 開設前は、事業支出の大半を占める人件費は雇用後の調整が難しい ことから、予め人件費の割合設定をした人員配置の検討に加え、常勤職員のみではなく、非常勤職員を効率的に配置することによりフレキシブルな対応ができるような工夫が必要です。

 また、新築の場合には、現金支出は生じないものの減価償却費が多額となるため、費用の圧縮を図るためには開設前に各種補助金について勉強しておくのも良いでしょう。さらに、障害者の方々の収入の大半は障害年金や生活保護といった決まった額によるものですので、そこから家賃を徴収することを念頭において、整備費、資金繰りを 検討することも大切です。

 

複数住居で障害支援区分に合わせた効率的な配置

 開設後は、一つの住居だけでは一人の利用者の動向が収支に大きく影響することがあるため、複数の住居を運営することにより平準化された収入が期待でき、また、複数の住居間で入居者の状況や障害支援区分に合わせた人員の配置を柔軟に行うことができるようになります。こうした収益の安定性と効率的な人員配置を可能にするためには、複数住居の設置による事業規模の拡大、職員の増員を視野に入れると良いでしょう。

 

ホームに併設して短期入所事業やヘルパー事業

 事業規模の拡大の例としては、ホームと併設して短期入所事業やヘルパー事業を付加的に展開することが挙げられます。また、職員の増員については、住居の増設以外に、ヘルパーサービスの利用や、常勤職員と非常勤職員の混合配置による方法もあります。こうした取組は、収益の安定性と効率的な人員配置を可能とするだけでなく、余裕を持った職員の配置による職員向け研修や会議の開催を可能とし、支援や運営の質の向上を期待することもできるでしょう。

 

 

入居予定者のリスト作りや体験入居、利用予定者の状態の把握

 このほか、運営時は、利用者のキャンセルや空室の期間を少しでも短くするために、入居予定者のリスト作りや体験入居による周知のほか、利用予定者の状態の把握を図っておくのも良いでしょう。ただし、運営者の都合で運営形態を変更したり、経営を最優先した賃金体系や安易な人員配置を行ってしまうと継続的な支援体制が組めず、空室状態が続いてしまうケースがあります。利用者と運営側の双方にとって納得できる運営方法を見つけていくことが大切です。

 

 

グループホーム整備促進支援制度について – 愛知県

WEBワライフ「愛知県のグループホーム整備促進支援制度①開設までの準備」

WEBワライフ「愛知県のグループホーム整備促進支援制度②開設までの準備その2」

WEBワライフ「愛知県のグループホーム整備促進支援制度④運営」

WEBワライフ「愛知県のグループホーム整備促進支援制度⑤運営その2」

WEBワライフ「愛知県のグループホーム整備促進支援制度⑥体験談」

WEBワライフ「愛知県のグループホーム整備促進支援制度⑦体験談その2」

WEBワライフ「愛知県のグループホーム整備促進支援制度⑧体験談その3」

WEBワライフ「愛知県のグループホーム整備促進支援制度⑨まとめ」

前の記事 介護・健康コラム 次の記事