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愛知県のグループホーム整備促進支援制度④運営

愛知県のグループホーム整備促進支援制度③までは開設までの準備を中心にお伝えしましたが、今回からは、実際のグループホームでの生活、運営にかかわる事項をご紹介します。

 

 

日常の支援の流れ

 グループホームは住まいの場です。朝は入居者の起床の手伝いから始ま り、朝食の提供、作業所等へ通われる場合は送り出しを行うことになります。また、 入居者の帰宅後は夕食の提供、入浴の介助、就寝の手伝いという流れになります。

 なお、休日は外出される方もいれば、一日中グループホームで過ごされる方もいます。入居者がグループホームにいる間は必要な支援が受けられる体制を整えておかなければなりません。

 

 

利用者のご両親との関わり

 家族との関わりはとても大切で、入居者本人の性格や障害特性等を把握する上でも役立ちます。報告会や個別面談を通して、家族と信頼関係を築くことはとても大切です。

それぞれの家庭で築いた親子関係を理解する

 ご両親には、障害がある我が子を悩みながら育ててきた背景があります。今ある親子関係は、それぞれの状況の中でそれぞれの家族で築いてきたものです。障害のある方の自立を妨げているように思えることもあるかもしれませんが、その道のりを受け止め、これからの援助に携わる者としてその親子関係を理解していく努力が、まず必要です。

 

ご両親も障害のある方と一緒に新たな暮らしの第一歩

 グループホームに入居して間もない頃は、ご両親はとても不安で、家族のような関わりをグループホームスタッフに求めたり、一方で家族ができなかったことを求めたりします。場合によっては、グループホームスタッフは本人よりもご両親に関わることが負担に感じることがあります。そうした時には、ご両親も障害のある方と一緒に新たな暮らしの第一歩を歩んでいるということを理解することが必要です。

 

 

 

ホーム内でのルールの決め方

 特にルールを決めていないホームもあれば、共同生活に関する基本的な事柄(食事の時間、帰宅時間、喫煙のルール等)を先ずホームで決めて、入居者に丁寧に説明、納得を得るようにし、その他個別に対応が必要な事柄についてのみ、入居者との話し合いにより決めているというホームもあります。職員と入居者の話し合いの頻度もホームにより異なりますが、毎月行うことでルールを見直しているホームもあります。

 

入居者同士、職員と入居者との話し合い

 基本的には、入居者同士の話し合いや、職員と入居者との話し合いによって決めてい くケースが多いでしょう。入居者同士の話し合いでは、職員は利用者それぞれの立場を理解し、アドバイスすることが大切です。入居者同士の話し合いが困難な場合は、世話人が案件について提案し、それを選択してもらう形もあります。

 

 

「性」的な部分の管理・支援

本人の気持ちを尊重し、関係機関等の協力し検討

 グループホームは、障害のある方の住まいの場であり、地域の一員として生活していく場所です。入居者がよりよい生活を送れるように支援する場であって、管理・拘束する場所ではありません。実際に性的な問題が発生した場合、管理責任を問われることも考えられますが、目先の管理体制を強化するよりも、本人の気持ちを尊重し、その後の支援方法や支援体制等について関係機関等の協力を得ながら検討していく姿勢が大切です

 関係機関等の例としては、グループホームの職員だけでなく、家族、日中活動を行う事業所、計画相談に関わっている相談支援事業所、医療機関などが挙げられます。当然、入居者の中には判断能力が不十分な方もいらっしゃるかと思います。その場合には、後見人の役割を担っている方も含めて、支援体制を考えていくことが大切です。

居室の配置、生活スケジュールなど検討し入居者の決定

 なお、男女混合のホームでは、入居の際に性的な部分で様々な問題が生じないかを念頭に、居室の配置や生活スケジュールを慎重に検討して入居者の決定を行うと良いでしょう。問題が生じる可能性がある場合には、男女混合の入居は避けるようにします。慎重に検討したうえで男女混合のホームとする場合もありますが、この場合、同性介助が基本のため、男女ともに職員を配置する必要があります。

 

保健師を招き学びの場

 また、保健師を講師に招いて学びの場を持ったホームの例もあります。その際、特に妊娠については、望まない妊娠を避けるための内容を盛り込んでもらったということです。
 さらに、結婚をして出産に至ったケースもあります。こうした場合は、ひとり暮らしや結婚の相談に始まり、グループホームからの自立も視野に入れた支援を行う必要があるでしょう。

 

 

 

 

精神障害のある方への支援方法

 他の障害種別についても言えることですが、本人との距離感を大切にし、職員が話を聴いたり、入居者全員のミーティングによる話し合いを行うなど、傾聴・共感の場を設けることが大切です。

 

服薬管理の支援

 また、医療機関との連携や服薬管理の支援も大切です。服薬管理の支援については、普段から入居者の表情、言葉に気をつけ、怠薬していないかどうかの変化にすぐ対応できるよう心がけます。怠薬に陥りやすい人は、グループホームの職員が関わって服薬管理を行うほか、訪問看護の利用などで対応します。

 

個別の課題への取り組みなどでホームを出た後を見据えた支援

 そのほかに、設備面では、トイレにこもる方が多いという理由から、トイレの数を多めにするといった工夫をしているホームや、入浴が苦手な方も多いという理由から、「シャワーだけでも…」と声かけしやすいように、浴室とは別にシャワー室を設けることで入居者に活用されているホームがあります。

 また、支援面では、将来、入居者が地域で自立した生活を送ることを念頭に置いた取り組みが必要となります。例として、入居から1年間は生活に慣れるための支援を、1年後からは、食事や掃除について入居者自身で行うほか、入居者個別の課題へ取り組むことによって、グループホームを出た後の生活を見据えた支援を行っているホームがあります。この場合、同時に、住居探しや家族との調整、経済面での調整、制度等の活用など、個別に目指す生活への支援を考えていく必要があります。

 

 

グループホーム整備促進支援制度について – 愛知県

WEBワライフ「愛知県のグループホーム整備促進支援制度①開設までの準備」

WEBワライフ「愛知県のグループホーム整備促進支援制度②開設までの準備その2」

WEBワライフ「愛知県のグループホーム整備促進支援制度③開設までの準備その3」

WEBワライフ「愛知県のグループホーム整備促進支援制度⑤運営その2」

WEBワライフ「愛知県のグループホーム整備促進支援制度⑥体験談」

WEBワライフ「愛知県のグループホーム整備促進支援制度⑦体験談その2」

WEBワライフ「愛知県のグループホーム整備促進支援制度⑧体験談その3」

WEBワライフ「愛知県のグループホーム整備促進支援制度⑨まとめ」

 

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