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シニアの知って「得」する国の制度 第27回 「10年年金」 スタートしました!

平成29年8月から本格開始

 ついに、保険料の支払いが25年以上なければもらえなかった年金も、10年以上の期間があればもらえるようになりました。これは、長い年金制度の歴史の中でも、最も大きな改正の一つと言ってよいと思います。

10年に満たない場合でも可能性がある?

「カラ期間(合算対象期間)」とは

 この「カラ期間」とは、10年(120ヵ月)の要件を見るときに、「期間だけは足しましょう」というものです。

 例えば、100ヵ月納付してある場合、あと20ヵ月足りません。しかし、そこであきらめるのではなく、このカラ期間を検討します。具体的には後ほど紹介しますが、カラ期間が50ヵ月ある場合には150ヵ月あるものとして取り扱います。

 ただし、年金を受けるための「権利を得られる」というのがポイントであり、金額については実際の100ヵ月分で計算します。

 

カラ期間の具体例①

 カラ期間には、とても多く、複雑な要件がありますが、最も多く利用されるのは、以下のすべてに該当する場合です。

・昭和36年4月以降、昭和61年3月までに婚姻期間がある。

・その婚姻期間で、配偶者(相手)が厚生年金に加入、公務員であった。

・その厚生年金等の期間中、専業主婦(夫)等で厚生年金等に加入していなかった。

・その加入していなかった期間に、国民年金の保険料を払っていなかった。

 このうち、婚姻期間があったとは、現在も婚姻が継続している必要はありません。離婚や死別の場合でもカラ期間となります。また、専業主婦(夫)等とあるのは、専業主婦である必要はなく、個人の商売等で稼いでいてもかまわず、性別を問いません。

 このように要件を並べたところで、かなり昔の話であり、覚えていない場合が圧倒的に多いので、配偶者の基礎年金番号等の情報とともに、年金事務所で相談されるのがよいと思います。

 

カラ期間の具体例② 20歳以上で学生であった期間

 次は、20歳以上で学生であった期間です。これもカラ期間となりますが、対象は主に大学や短大です。期間は昭和36年4月1日以降、平成3年3月31日までの期間とされています。現在の学生は、いわゆる「学生免除」というものがあり、カラ期間の対象ではありませんが、「現状60歳以上、学生時代に国民年金に加入していない」場合には、このカラ期間はほぼ該当します。

 具体的に通っていた大学等から、在学していたことがわかる証明を出してもらうことで年金申請をします。この学生の期間については、年金事務所では把握できていないので、通われていた大学等に問合せをして、この期間を確認することとなります。

 

カラ期間の具体例③ 海外在住期間

 次に多いのは、海外在住期間がある場合です。現在も、海外在住期間は、国民年金において任意加入とされています。この海外在住期間のうち、20歳以上60歳未満であり、なおかつ昭和36年4月1日以降、昭和61年3月31日までの期間がカラ期間となります。

 こちらは、パスポートなど、海外在住期間が確認できるものを年金事務所へ持って行って、年金申請を行います。

 場合によっては、納付が20ヵ月ほどしかないのに、このカラ期間の制度によって、年金をもらえるようになった方も目の当たりにしました。自分ではわからないことでも、調査によってもらえるようになる可能性もあります。もらえるようになれば、一生涯ですので、ぜひ、調査だけでもしてみてはいかがでしょうか。

 

 さて、次回は、年金請求手続きとマイナンバーのお話です。なにかと話題になっているマイナンバーですが、年金請求にはどのような役割をしているのかをご説明します。

 

 

シニアの知って「得」する国の制度 第25回「10年年金」

シニアの知って「得」する国の制度 第26回「10年年金」その2

 

 

 

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