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日本の介護・医療の現場 シリーズ⑥これからの高齢者の住まい

 この1年、「日本の介護・医療の現場」と題しまして連載を致してきました。今回で第6回になります。2017年のまとめとしまして「高齢者の住まい」をご紹介いたします。

 皆さんは高齢者の施設、ホームなどの等の違いがお分かりにならない方が多いと思います。

 現在、介護老人保健施設(老健)、特別養護老人ホーム(特養)、サービス付き高齢者向け住宅と様々な高齢者向きの施設住宅が作られています。それらの違いを含めてご紹介させて頂きます。

 

従来の施設 特別養護老人ホームと介護老人保健施設

 特別養護老人ホームと介護老人保健施設は施設入居期間に違いがあります。

 

家に帰るのが前提の「老健」、終身の介護が可能な「特養」

 介護老人保健施設は整った医療体制のもとに医療ケアや充実したリハビリを受ける施設です。中間施設とも呼び、家へ帰るのが前提になります。

 特別養護老人ホームは、終身での介護が可能です。入居の対象となる方は、65歳以上で、原則要介護3以上の認定を受け、常に介護が必要な状態で自宅での介護が困難な方ですので、寝たきりや認知症など比較的重度の方、緊急性の高い方の入居が優先となります。

 

低料金、しかし入居までに時間がかかる「特養」

 「特養」の特徴として、公的な施設のため低料金で利用できますが、個室ではなく相部屋になることが多く、民間の老人ホームほどサービスが充実していない面もあります。さらに入居待ちの方が非常に多く、入居までに早くて数ヶ月、長い場合だと3年ほどかかることもあります。これでは、すぐに介護が必要な方は途方に暮れてしまいます。

 そこで平成23年、国は特別養護老人ホーム等の施設に入所することなく、地域で安心して住み続けることができる仕組みを目指し「サービス付き高齢者向け住宅」を創設しました。

 

サービス付き高齢者向け住宅住宅型有料老人ホーム

 サービス付き高齢者向け住宅は24 時間対応の定期巡回・ 随時対応サービスなどの介護サービスと組み合わせて、安心して終身での介護が受けることが可能です。近年多く見かけられる住宅型有料老人ホーム」との違いについて、理解され難いところではあります。

 サービス付き高齢者向け住宅と住宅型有料老人ホームとの違いは介護が必要になった時に施設の介護職員が介護してくれる形態か、外部の介護職員が介護する形態かの違いです。

 

住宅型有料老人ホームは介護が必要になれば外部業者に依頼

 住宅型有料老人ホームで行えるサービス内容は、食事の提供と日常的な生活の支援だけです。介護が必要になった場合は、外部事業者の訪問介護や訪問看護のサービスを受けることが条件になります。

 

サービス付き高齢者住宅は介護度、医療依存度が高くなった場合の対応の確認を

 サービス付き高齢者住宅は、施設内のサービスにより安心して終身のサービスが受けられます。これらの入居に際しては、どのようにして食事や生活支援のサービスを受けることが出来るのか、詳しく説明を受けて頂ければ良いと思います。また介護度や医療依存度が高くなった場合は、継続して住み続けることが難しいこともありますので、その点で医療機関との連携が出来ている事を確認する事は重要です。病院への受診が不可能な場合には、医師の訪問診察を受けられるかどうかもポイントとなります。

 

 

医療機関との連携が密で、本人が納得できるより良い施設を

 高齢の皆さまはむろん家での療養・看取りを希望されますが、日本の住宅事情・家庭に事情などを考えますと施設入所せざるえない場合が多いのも事実です。

 これからの高齢者の住まいは「医療機関と連携が密で、さらにご本人の納得出来る、より良い施設の選択」であると私は考えます。

 

 

 

 

加藤 仁 氏 
生年月日:S22年(1947)3月3日
ユニオン・ホールディングス株式会社・代表取締役・社長
特定医療法人・共和会・最高顧問
社団医療法人・大仲会・理事長
愛知県医療法人協会・参事

 

 

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