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発達障害とは?~発達障害の基礎知識~③

 「発達障害とは?~発達障害の基礎知識~②」では主に発達障害の種類についてお伝えしました。今回も「政府広報オンライン 発達障害って、なんだろう?」をもとに「発達障害」に気づくためのポイント、また配慮することををご紹介します。

 

気づく~気になる行動・反応はありませんか?~

 社会で生きていくためには、社会性やコミュニケーションが必要となります。発達障害のある子どもは、それが苦手なため、幼稚園や小学校などの集団に入ると、さまざまな問題や困難に直面することになります。障害が理解され、適切なサポートがされないと、学校に行くことがストレスとなり、不登校や引きこもり(※1)などの二次障害(※2)につながる場合もあります。

 発達障害のある子どもが、社会に適応する力を身につけながら、自分らしく成長できるようにするためには、発達障害に早く気づき、適切な療育(※2)につながることが重要です。ここでは、発達障害に気づくためのポイントを紹介します。

※1 WEBワライフ「『ひきこもり』について」をご参照ください。

※2 WEBワライフ「発達障害とは?~発達障害の基礎知識~②」の用語解説をご参照ください。

 

人との関わり方

  • ●一人遊びが多い、一方的でやりとりがしにくい。
  • ●おとなしすぎる、常に受動的。
  • ●おとなや年上の子、あるいは年下の子とは遊べるが、同級生とは遊べない。

 

コミュニケーション

  • ●話は上手で難しいことを知っているが、一方的に話すことが多い。
  • ●おしゃべりだが、保育士や指導員の指示が伝わりにくい。
  • ●話を聞かなければならない場面で離席が多い、聞いていない。

 

 

 

イマジネーション・想像性

  • ●相手にとって失礼なことや相手が傷つくことをいってしまう。
  • ●友だちがふざけてやっていることをとらえ違えて、いじめられたと思ってしまう。
  • ●集団で何かしている時にボーッとしていたり、ふらふらと歩いていたりする。
  • ●急な予定変更時に不安や混乱したようすがみられる。

 

注意・集中

  • ●一つのことに没頭すると話しかけても聞いていない。
  • ●落ち着きがない、集中力がない、いつもぼんやりとしている。
  • ●忘れ物が多い、毎日のことなのに支度や片づけができない。

 

 

感覚

  • ●ざわざわした音に敏感で耳をふさぐ、雷や大きな音が苦手。
  • ●靴下をいつも脱いでしまう、同じ洋服でないとダメ、手をつなぎたがらない。
  • ●極端な偏食。
  • ●揺れているところを極端に怖がる、すき間など狭い空間を好む。

 

運動

  • ●身体がクニャクニャとしていることが多い、床に寝転がることが多い。
  • ●極端に不器用、絵やひらがなを書く時に筆圧が弱い、食べこぼしが多い。
  • ●運動の調整が苦手で乱暴に思われてしまう、大きすぎる声。

 

学習

  • ●話が流暢で頭の回転が速いことに比べて、作業が極端に遅い。
  • ●難しい漢字を読むことができる一方で、簡単なひらがなが書けない。
  • ●図鑑や本を好んで読むが、作文を書くことは苦手。

 

情緒・感情

  • ●極端な怖がり。
  • ●ささいなことでも注意されるとかっとなりやすい、思い通りにならないとパニックになる。
  • ●一度感情が高まると、なかなか興奮がおさまらない。

 

 

 

 

発達障害は多様です。

 「発達障害」とされるすべての人に上記の症状があるわけではありません。症状は個人個人で異なりり多様です。。発達障害は、複数の障害が重なって現われることもありますし、障害の程度や年齢(発達段階)、生活環境などによっても症状は違ってきます。発達障害は多様であることをご理解ください。

 

 

 

配慮する~発達障害の人に接するとき~

 発達障害があるといっても、障害の種類や程度によっても違いますし、年齢や性格などによっても、一人一人、現れ方は違います。生活の中で困難なこと、苦手なことも一人一人違います。そのため、一人一人の特徴に応じて配慮したり、支援したりしていくことが重要です。ここでは、家族や学校、職場など身近な場所で、発達障害のある人と接する方はもちろん、それ以外の方にも、発達障害がある人に対して配慮していただきたい、基本的なポイントをいくつかご紹介します。

 

できたことをほめる/できないことを叱らない

 発達障害のある人は、ほかの人が簡単にできることでも、うまくできないことがあります。本人ができないことや失敗したことを責めたり、叱ったりすると、本人が「自分はだめだ」と落ち込んでしまったり、他の人や社会のせいにして批判的・攻撃的・反社会的行動傾向が強まったりしてしまいます。注意をする場合は、努力している点やうまく行っている点をほめたうえで、できなかったところは、どのようにすればもっとよくなるかを肯定的、具体的に伝えましょう。

 

視覚的な情報を提示して説明する

 発達障害の人のなかでも、自閉症などの広汎性発達障害の特性をもっている人の多くは、言葉で言われるよりも、目で見て分かる情報のほうが理解しやすいといわれています。その人が理解している言葉を使い、写真や絵などを添えて説明してあげると、理解しやすくなります。

 

 

 

説明や指示は短い文で、順を追って、具体的に

 達障害の子ども(人)はあいまいな表現を理解するのが苦手です。言葉で説明するときは、短い文で、一つずつ順を追って、具体的にすることなどを配慮しましょう。話を理解しやすくなり、見通しがもてるようになります。

 

 

 

安心できる環境を整える

 自閉症の人たちの中には、人混みや大きな音、光などの刺激を苦手とする人が多くいます。そのような刺激による不快感を大きくしないよう、安心できる環境をつくってあげましょう。

 

 

善悪やルールをはっきりと教える

 発達障害のある人は、暗黙の了解や社会のルールが分からないことがあります。いけないことや迷惑なことははっきり教えましょう。注意したり、叱ったりするだけでは、どうしたらよいのか分からないので、具体的にどのようにしたらよいかを教えましょう。

 

 

 

発達障害の子ども(人)を温かく見守る

 子どもが騒いだり、パニックを起こしたりしているとき、「なぜ親は叱らないんだ」といら立つ場合があるかもしれません。しかし、発達障害の子の中には、少しの時間待つことで無理に叱るよりも早く混乱から抜け出せることもあります。周囲の人にこうした知識があるだけで、本人も家族も楽になれます。

 

 

 

 

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