高齢者をねらう詐欺、みんなの協力で被害を防ごう!


 高齢者を狙った詐欺や消費者トラブルが多発しています。詐欺、トラブルの現状や手口、また高齢者の被害を未然に防ぐためのポイントをご紹介します。

            出典 政府広報オンライン「家族の約束が、家族を守る。」など

 

被害の実態

 「被害者に電話をかけるなどして対面することなく欺き、指定した預貯金口座への振り込みやその他の方法により、不特定多数の者から現金等をだまし取る犯罪」を「特殊詐欺」と言います。その特殊詐欺によって、多く人たちが被害にあっています。

 

 

特殊詐欺認知・検挙状況

平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年
認知件数 8,693 11,998 13,392 13,824 14,154
被害総額 約364億円 約489億円 約565億円 約482億円 約408億円
検挙件数 2,990 3,419 3,252 4,112 4,471
検挙人員 1,523 1,774 1,985 2,506 2,369

(資料:警察庁 平成28年の特殊詐欺認知・検挙状況等について)

 平成28年中の認知件数は14,154件のうち、特に高齢者(65歳以上)の被害件数は11,062件(前年比+421件、+4.0%)で、その割合は全体の78.2%と非常に高い水準です。

 「認知件数」とは警察が把握している件数で、誰にも相談せず、どこにも届け出をしていないような被害者も含めると実際はこの数字をはるかに上回るとされています。

 

 

 

いろいろな詐欺やトラブル

「劇場版勧誘」ー複数の人が様々な役を演じてだます

 消費者トラブル・詐欺の手口は、ますます巧妙化・悪質化しています。特に最近は、複数の人が警察官や弁護士など様々な役を演じたり、偽のパンフレットや通帳などの「小道具」を使ってだます「劇場型」詐欺の手口です。高齢者が巻き込まれやすい典型例です。

 

社会貢献を名目にお金をだまし取る

 以前は未公開株や社債等、金融商品への投資勧誘が中心でしたが、最近は社会貢献にもつながるような名目をうたい、「名義を貸してほしい」、「代わりに買ってほしい」といった内容でお金をだまし取る手口が見られるようになりました。2015年度に消費者庁では、介護付老人ホームの特別会員権の購入を勧誘する事業者や、風力発電システムの開発などの事業を営んでいると偽って社債購入を勧誘する事業者等、劇場型勧誘の手口に関する注意喚起をしています。

 

買取りを承認していないのに売却を求める訪問購入

 消費者の家を購入業者が訪問し、物品を買い取る際に、トラブルになってしまうケースがあります。

 電話では「着物を買い取る」と言っていたのに、来訪してから突然「いらない貴金属はありませんか」など、当初の買取り対象とは別の、事前に買取りを承諾していない物品について購入業者から売却を求めることは、法律で禁止されています。また依頼をしていないにもかかわらず、購入業者が突然、家に来て買取りをすることも、法律で禁止されています。

健康食品などを勝手に送りつける「送りつけ商法」

 高齢になると身体機能の衰えも見られるようになり、健康に不安を持つようになります。そうした心理に巧みにつけ込んで、申し込んでもいないのに健康食品などを勝手に送るのが「送りつけ商法」です。

 

 

2020東京オリンピック・パラリンピック関連ーチケットなどの詐欺に注意

 2020年東京オリンピック・東京パラリンピック開催に関連した、競技施設を建設するための債券、オリンピック用地を購入するための債券、オリンピックの競技施設の建設を請け負う会社の社債などを題材に、架空のもうけ話を持ち込みます。東京が開催地に決定した時期より最近は相談が少なくなっていますが、チケットに関連した詐欺的な勧誘が見られるなどするため、今後も注意が必要です。

 

仮想通貨でのトラブルー「必ずもうかる」をうのみせず

 インターネットを通じて電子的に取引される、ビットコイン等のいわゆる「仮想通貨」をめぐり、投資や利殖をうたってその購入を勧誘する際のトラブルが高齢者を中心に増加しています。

 2017年4月から、国内で仮想通貨と法定通貨との交換サービスを行うには、仮想通貨交換業の登録が必要になりました。契約をする際は、登録事業者であるか確認し、「必ずもうかる」という言葉はうのみにせず、取引相場の価格変動のリスクなど十分理解するようにしましょう。

 

 

 

 

 

どうしてだまされてしまったのか…被害者の声

息子と信じて…

●「なぜみんなだまされるのかしら」と話していたのに、いざ電話があって助けを求められたら息子と疑うことなく、お金を下ろして渡してしまった。

●怪しいと思って確認したら、「オレオレ詐欺じゃないよ」と言われて信じてしまった。

●息子の名前を言ったので信じてしまった。

何度も確認されたのに強引に振り込んでしまった

●郵便局の窓口で局員から使い道や振込先との関係を何度も聞かれたが、「話が大きくなると会社に知れてクビになっちゃうから郵便局の人には余計なことを言わないで」と言われていたので「間違いありません。大丈夫ですから。」と怒って強引に振り込んでしまった。

●「サラ金から借りなければいけない」と言われ慌ててお金を送ってしまった。

●銀行の窓口で「詐欺の可能性はありませんか」と何度も確認されたが自分はそんなものに遭うはずがないと思っていたので「失礼じゃないか」と怒って強引に振り込んでしまった。

振り込め詐欺がどういうものか知らなかった

●「レターパックに”現金を入れることはできません”って書いてあるけど本当は大丈夫だから送って」と言われて送ってしまった。

●「ATMで振り込んで欲しい。操作方法を絶対銀行員に聞かないで。」と言われていたが操作が分からず聞いてしまった。銀行員から使用目的について何度も聞かれたが「旅行代金です」とウソをついて振り込んでしまった。

●関心がなく、振り込め詐欺がどういうものか知らなかった。

 

 

 

 

だまされないために~高齢者ご本人、ご家族、地域でできること~

高齢者ご本人ができること

決して他人事ではありません

 「自分は絶対にだまされない」「振り込め詐欺には関心がない」という人はいませんか。高齢者を狙った詐欺や消費者トラブルは、決して他人事ではありません。突然の不審な電話にも、あわてず対処できるように、あらかじめ家族と約束を決めましょう。

 

 

未然ポイント

「自分は大丈夫」と思い込まず、常に疑う心をもちましょう

「恥ずかしいことだから…」と一人で悩んで判断しないで誰かに相談してください

前に自分が知っていた番号、電話帳などに載っている公に表示されている電話番号などで必ず確認するようにしましょう

心配して声をかけてくれる人には耳を傾け、少し冷静に考えるようにしてみましょう

日頃から留守番電話にしておき、相手を確認してから電話に出るようにしましょう

 

ご家族でできること

高齢者の様子を気にかけて、見守る

 高齢者の中には、他人の言うことを疑わず簡単に信用してしまう方や、だまされたことに気づかない方も多く見られます。また、被害に遭ったことに気がついても、「恥ずかしい」「他人の人に迷惑をかけたくない」などの理由で、誰にも相談しない場合が少なくありません。

 高齢者が消費者トラブル・詐欺に遭わないためには、高齢者ご本人が問題意識を高めるとともに、家族や周りの方々が、日ごろから高齢者の様子を気にかけて、見守っていく必要があります。普段から家族で、消費者トラブル・詐欺の手口や被害について話題にし、注意することが大切です。

 また不審な電話や訪問を受けたときの対応の仕方や相談窓口なども話し合っておきましょう。

 

未然ポイント

日頃から家族でよく話し合っておきましょう

電話でお金の話をしないと約束しておきましょう

家族で事前に「合言葉」を決めておきましょう

常に「留守番電話」に設定しておきましょう

 

地域の皆さまでできること

地域の住民の協力で、詐欺防止へ

 小さなことでも地域の皆さまで協力すれば、詐欺防止へとつなげることができます

 身近で日常的に接している人たちが高齢者の変化に気づき、相談機関につなぐことも重要です。最近では、高齢者の一人暮らしなども多くなっています。その場合は、民生委員など地域の関係者や介護などで自宅を訪れる介護職の方、宅配業者や金融機関などの事業関係者が連携をとって、「見慣れない人物が出入りしている」「見慣れない段ボールや新しい商品を見かける」「お金に困っていそう」「大金を下ろそうとしている」といった不審な行動などがあるかどうか、見守りを行い、声をかけて相談にのるなどしましょう。

未然ポイント

近所に住んでいるお年寄りを見かけたら挨拶をしましょう

電話をしながらATMの操作をしているお年寄りを見たら本人か銀行員に声をかけましょう

近所同士で緊急連絡先を交換しておき、お金のトラブルや不要なものの購入に気づいたら、連絡、共有をしましょう

よくわからない電話が掛かってきたら、家族や身近な人に相談することを勧めましょう

お金に関する電話や相談があったら、町内会や自治体で共有しましょう

 

 

相談窓口

消費者ホットライン

電話番号 188(いやや!)

お近くの相談窓口(消費生活センターなど)をご案内します。

 

警察相談専用電話

電話番号 #9110

犯罪被害の未然防止など、生活の安全を守るための相談窓口です。

 

金融サービス利用者相談室(金融庁)

電話番号 0570-016-811

「預金・融資」「保険商品・保険制度」「投資商品・証券市場制度・取引所」「貸金業」などに関するご相談を承っています。

 

 

 

出典 政府広報オンライン「家族の約束が、家族を守る。」など

 

 

 

«前の記事 介護・健康コラム 次の記事»