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ワライフ認知症講座 第21回 加齢と認知症

認知症のリスクファクター

 テレビなどのメディアで盛んに取り上げられている認知症のリスクファクター(危険因子)について考えてみたいと思います。

認知症発症の一番のリスクは「加齢」

 現在では認知症にならないための予防法は確立されていません。糖尿病や喫煙、高脂血症、高血圧などが代表的なリスクファクターだと言われています。しかしそのすべてが認知症になるわけではありません。様々な疾患が原因で認知症を発症することは明らかになっていますが、一番のリスクは年をとること「加齢」であるということに注目する必要があるのです。

85歳以上の約2人に1人が認知症

 厚生労働省の発表では、2012年時点の認知症患者数は420万人いると報告されています。高齢者の約
15%で、85歳以上では4割を超え、90歳以上では6割を超えると言われています。年齢が上がれば確実に認知症の数は増えるのです。この数字から分かるように85歳以上の約2人に1人は認知症であることから、加齢は確実なリスクファクターであると言えるでしょう。糖尿病や高血圧などの危険因子は生活習慣の見直しや治療で回避できることもありますが、加齢は予防することはできません。

 

高齢者への認知症治療

 高齢になればなるほど認知症のリスクは高まりますが、どのように周囲が受け止めていくか、死生観や価値観は様々ですが、筆者の経験から強く感じることは「その人らしい生活の質」です。

認知症医療でもこの緩和ケアの考え方が必要

 現在の認知症医療は画一的な傾向があり、年齢や体力、環境にかかわらず治療を行っているケースが多く見受けられます。「物忘れが進行しているから抗認知症薬を処方する」、「年のせいなので仕方がない」、など本人、家族が何を望んでいるかを考慮していない現状があるのです。

 疾患は異なりますが、がん医療では緩和ケアという概念があり、回復の見込みがない場合、痛みや不安を緩和することで人生最後の時間を良いものにすることを目的に治療を行うのです。ある医師は言います、認知症医療でもこの緩和ケアの考え方が必要であると。

加齢に伴い認知症の症状が出現してくるものという心構え

 現在の認知症医療は物忘れ(記憶力)などの中核症状に対する医療を行っていますが、その副作用のため生活の質が悪化しているケースも多く報告されています。もちろん抗認知症薬の効果で生活に活気が出た、意欲の向上があったなど、その人らしい生活の質が向上したケースもあるのです。

 しかし加齢を止めることはできません。多くの場合は、物忘れが進行していくと慌てて対策をしなければと考えだしますが、加齢を自然なもの、当たり前のもの、それに伴い認知症の症状が出現してくるものという心構えが必要となるでしょう。

認知症介護はその人らしい生活の質を成し遂げるためのお手伝い

 筆者も多くの看取り介護を経験してきましたが、その過程で見えてきたことは認知症であってもそれぞれの生き方と最後の準備をその人らしく実行していることを日々目の当たりにします。認知症介護は排せつや食事などの身の回りのお世話だけではありません。その人らしい生活の質を成し遂げるためのお手伝いでもあるのです。そのためには本人の意向に合った必要な医療を知ること、薬の副作用で苦しんでいないかを見極めることが重要です。

 川崎幸クリニック院長は「認知症の方の最期は、苦痛も負わず恐怖感もなく極めて穏やか」「認知症というのは、年を重ね不安になっていく最後の恐怖感にベールを一枚一枚重ねて、ぼやかす仕組みではないか」と言われています。

 

 

一般社団法人 認知症ケアアドバイザー協会 代表理事

介護支援専門員・介護福祉士

認知症治療研究会 会員

抗認知症薬の適量処方を実現する会 会員

小板 建太 氏

 

 

認知症介護メール相談を無料で受け付けていますのでお気軽にお問合せください。

一般社団法人認知症ケアアドバイザー協会

Email       miyabi-house@katch.ne.jp

 

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