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第7話 改訂された睡眠指針について パートⅠ

睡眠指導士7

平成26年3月厚生労働省は「健康づくりのための睡眠指針」を、11年ぶりに大幅改定致しました。

本編では、この改定された睡眠指針について、なるべく簡潔明瞭に解説させていただき、睡眠指導士の観点から私の所感を述べていきたいと思います。

この改訂には、11年の歳月で睡眠に関する科学的知見が蓄積され、多くの不明点が解決されたという時代の流れがあり、睡眠の必要性にクローズアップされたTV番組や、多くの睡眠が重要と定義する書籍等が爆発的に売れた事から、こぞってマスメディアが国民感情を後押しした背景があります。
こうした状況を踏まえ、新たな科学的知見に基づき指針を改定する事を目的として、厚生労働省は有識者の参集を求めて所要の検討を行った。

 

睡眠12箇条

1.良い睡眠で、からだもこころも健康に。
2.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
5.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
7.若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。
8.勤労世代の疲労回復・能率アップ に、毎日十分な睡眠を。
9.熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
10.眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
11.いつもと違う睡眠には、要注意。
12.眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。

 

指針の改定に際しては、過去の指針になかった

「ライフステージ・ライフスタイル別」の記載内容にしている点が大きな改定であります。
また、睡眠と「生活習慣病」の関係性や、「こころの健康」に関する記載の充実が大きな特徴ですね。老若男女誰にでも分かりやすい言い回しに注意された内容ではないかと思います。
年齢にあった睡眠の推奨が違い、年をとると徐々に早寝早起きの傾向が強まり朝型化する事を、いくら睡眠の科学的知見で裏付けているとはいえ、国の正式文章としてはっきりと記載している事には正直ビックリしました。

それではその年齢別の国が推奨する睡眠時間を掲載しておきます。ご参考にしてみてください。

10歳代前半……8時間以上
25歳前後………約7時間
45歳前後………約6.5時間
65歳前後………約6時間

ここでは必要な睡眠時間以上に長く睡眠をとったからといって、健康になるわけではないという事を強調されております。更に言うと年齢と共に睡眠時間が短くなることは自然であり、日中の眠気に困らない程度の自然な睡眠が一番であると括っております。

次号では、12箇条について更に深ぼって解説をしてまいりましょう。

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