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シニアの知って「得」する国の制度 第16回

国民年金。保険料の支払い期間ともらえる金額

老齢基礎年金とは

 「年金」というと、老後にもらえる老齢年金というものが世間では一般的になっています。そのうち「老齢基礎年金」とは、「国民年金からもらえる」ものです。これは主に昭和生まれのもらえる権利のある人すべてが対象になっています。それに対して「老齢厚生年金」は会社員や公務員が独自に受けられるもので、自営業者など会社員等の期間がない人は対象になりません。

金額は?(老齢基礎年金の計算方法)

 老齢基礎年金の「満額」は、平成27年度価額で780,100円です。これが年額なので1か月あたりは約65,000円です。ズバリ、40年(480か月)間保険料を納めたときにもらえる金額です。
 保険料を支払った期間がわかれば、もらえる年金の年額がわかります。計算方法としては、780,100円÷480月≒「1,625円」を使い、これに保険料を納めた「月数」を乗じます。例えば、30年保険料を納めている場合は1,625×360月≒585,000円/年、25年保険料を納めている場合は1,625×300月≒487,500円/年、というように求めます。

私、厚生年金だけだったんですけど?

 国民年金は保険料を実際に払って納める場合や、納めなくてもいい場合など、ちょっと複雑な制度になっています。被保険者の種別は3種類で、次のようになります。
・第1号被保険者:国民年金保険料を実際に払う人(自営業者など、第2・3号被保険者に該当しない方)
・第2号被保険者:厚生年金保険加入者のうち、65歳未満の方
・第3号被保険者:第2号被保険者の被扶養配偶者(「サラリーマンの妻」等)
 40年間保険料を納めた場合に満額の老齢基礎年金がもらえますが、この3つの種別のうち、いずれでも構いません。つまり、厚生年金に加入している人は「自動的に国民年金保険料を払っている」扱いとなります。

40年保険料を払っても満額にならないことがある?

 老齢基礎年金の金額は「20歳から60歳までの40年間のうちどれだけ納めてあるか」で決まります。
 例えば大卒の場合、22歳まで学生であり、その後就職して厚生年金に加入して、40年後の62歳に退職すればちょうど40年間の加入期間があることになりますが、あくまで「20歳から60歳までの月数」であるため、22歳から60歳までの38年間の額となり、40年でも満額とはなりません。先の計算式でいえば780,100円×456月(38年)/480月(40年)≒741,100円となります。これでは同じだけの期間年金の保険料を払っていても、大卒であるがために2年分額が減ってしまって損したような気がしますが、この満額との差額である2年分は老齢厚生年金からもらえることとなっており、老齢基礎年金38年分と老齢厚生年金からもらえる2年分でしっかり満額相当の年金をもらえるようになっていますので、実質的な損はありません。

 さて、次回は平成27年10月から始まっている「被用者年金の一元化」についてのお話です。これは民間の会社の厚生年金と、それと比べて手厚い制度である公務員の共済年金を、基本的に厚生年金の制度にそろえて公平化を図ろうというものです。公務員の期間があった方については特に必見です。


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