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親の介護 アルツハイマーの母から学んだこと その十

親の介護 アルツハイマーの母から学んだこと その十

ご近所の方のお見舞い

決して自ら広めなくても母が入院したという事実は近所の人たちには知られるこになりました。特に隠しておくつもりもなく、いろいろなお付き合いのこともあるので、お隣などごく一部の方には伝えました。私が暮らすのは旧街道に近い古くからある集落で、昔からの近所づきあいが続いています。時代とともに行事も簡素化されていますが、「都会」と言われるところからすれば濃いつながりが残っています。母が入院し間もなくご近所の方が何人か連れ立って母の見舞いに行ってくださったことを知りました。

「嫁のあんたが看れんだかん。どっこも悪くないで早く出してやっておくれん」

ご近所のお見舞いのことは妻から聞きました。わざわざ我が家に来て報告をしてくれたそうです。私は不在だったため妻が対応しました。その際言われたことをとても気にしていました。母と同年代の方から「(母を病院から)早く出してやっておくれん。なんであんなところへ入いらにゃならんだん 嫁のあんたが看れんだかん。どっこも悪くないって言っとるで。かわいそうだで。出してもらえるよう旦那に頼んどくれん」と懇願されたそうです。私はそのことには直接何も答えませんでしたが、対応してくれたことに労いと感謝を伝えました。このことは十年以上経った今でも妻の心には『傷』として残っており、言われたときの辛さを今でも語ることがあります。

家族以外に理解されない難しさ

アルツハイマーの人がいる家族の方には、一緒に暮らしていないいわば『第三者』に、実態を理解してもらえない辛さを感じた経験が少なからずあるのではないかと思います。マスコミも多くとりあげ「アルツハイマー」は広く知られるようになり、かなりの人が深刻な問題として認識していると思いますが、身近にその病の人がいないと家族の介護の大変さまではわかってもらえない場合も多いのではないでしょうか。十数年前は『アルツハイマー』という言葉は知られていましたが、どのような病気かを理解している人は多くなかったように思います。恥ずかしながら私もそうで、母がその病名だと告げられるまでは「老化の延長」のようにしかとらえていませんでした。母がその病を患って初めて人にアルツハイマーという『病気』だと言っても実態をなかなかわかってもらえないもどかしさ、寂しさ、やるせなさなどを感じました。

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