新しい供養のかたち 第1回仏壇じまいとは?


仏壇じまいとは?

現在のお仏壇を魂抜きし、今後の住まいにあったサイズや様式に変更をしたり、お焚き上げ等、丁寧に供養をしたのちに処分をすることをいいます。
最初は跡継ぎがいない方が始めていましたが、昨今ではご先祖様を想う気持ちがあれば仏壇という形式にはこだわらないという方も増えてきており新たな先祖供養の形として注目されています。

そもそも仏壇とは?

そもそも仏壇が誕生した歴史を紐解いていきましょう。

時代をさかのぼること数百年、江戸時代に幕府の宗教政策である寺請制度により、いずれかの寺院を菩提寺と定めその檀家になることが義務付けられました。
その証として各家ごとに仏壇を設け、朝・夕礼拝し、先祖の命日には僧侶を招き供養するという習慣が確立しました。※諸説あり

そもそもの始まりは当時の国の政策の一環だったんですね。

 

これまでの仏壇供養と家制度

現代には廃止されていますが、戦後しばらくまで 日本には「家制度」というものがありました。

大略して表すと「家の財産等はその家の長男が継いでいくもの」という考え方です。

この「家制度」の名残りが多くの方の考え方に今も根強く影響していると思います。

家の長男は嫁をもらいうけ両親と同居をし、当主が亡くなられたら代が変わり、土地屋敷、仏壇と墓を守り、仏事を継承していくという慣習も家制度からきているものです。

家に男子が産まれない場合は他家から養子や婿養子をもらいうけ同様に継承していっていたのも、本家や分家なる存在をうみだしたのもすべて家制度からきているものです。

 

供養をつなげるための変化

我々日本人は宗教信仰や民族風習に対し大らかで、柔軟に適応し、様々な宗教、風習を自国の文化に取り入れ融合してきました。
多様な価値観をもち、同時に強い固定概念や宗教観をもちあわせないことが国民性としてあるとされています。

例えばみなさんの年末年始の動きを考えてみましょう。

キリスト教由来であるクリスマスを祝い、大晦日には仏教の除夜の鐘をつき、その数時間後の元旦には神道にて初詣をしながら柏手をうちます。

周りが始めれば、本来の意味や由来は知らなくても、新しい文化として取り入れ、自分たちなりに楽しむ精神は世界から称賛されているそうです。

「みんなでやればこわくない」という精神ともいえるのではないでしょうか?
しかしながらその精神性の言い方を変えるとまた別の面が顔をだします。
それは「他の人と違うことをしたくない」という一面です。
供養問題で悩まれている方はその一面に葛藤し行動をおこすことができないでいます。
頭では矛盾や不合理性を理解しているのだけれど みんながしていないことを最初にするのが苦手なのでしょう。

これまでもご先祖供養の方法は時代に合わせて柔軟に変化をしてきました。

葬儀やお墓、お仏壇も多種多様な形式がその時代に合わせて多く提案されています。
宗教心の薄れ、少子高齢化、未婚率の上昇、住宅環境、ライフスタイルの変化などの結果、今までの先祖供養の形が合わなくなってきているのは誰しもが感じていることと思います。

特に仏教を信仰している自覚はない、自身の宗派を知らない、檀家寺があるかわからない、仏間が家や部屋にはない、子供が女の子しかいない、そのようなご家庭は皆さんの周りにもたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

ご先祖様を想う気持ちがあれば仏壇という形式にはこだわらない
という価値観に変化していくのも自然な流れだともいえます。

とはいえ先祖代々つないできた仏壇を自分の代でしまうことは やはり誰にとっても心苦しいことだとも思います。

しかし次の世代に同じ悩みや葛藤をそのままわたしてしまうことは 誰しもが不本意なのではないでしょうか。

この数年で仏壇じまいの依頼は急激に増加しています。
永代供養をしたり、小さなお位牌だけ残したりと家々によって様々な方法で行っています。
今の時代では変わったことではありません。

相談されるお客様の多くはご先祖様に対し悪いことをしようとしているという感覚をお持ちです。
それはご先祖様に対して 尊敬と感謝の念をお持ちである証拠ではないでしょうか?
大事に想うからこそ、供養を負担に思う形をやめるということではないでしょうか?

先祖供養に対して次の世代を悩ませないために、今までの形式からこれからの形に変化をさせることが 先祖供養の根幹である尊敬と感謝を守る方法につながっていくと私は感じています。

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