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【健康】志茂田景樹的生き方(平成25年初夏号掲載)

shimoda

志茂田景樹的生き方
直木賞作家が語る、自己の解放と百歳まで生きる極意

志茂田景樹といえば、どのようなイメージを思い浮かべるだろうか?
一時期昼の帯番組などで披露し話題となった独特の過激なファッションの影に、直木賞作家としての姿は薄れ気味だが、昨今は全国の長寿者を訪ねてその健康法 を本に著したり、一方では絵本・童話を創作し子供に絵本の読み聞かせをする「よい子に読み聞かせ隊」を夫婦で組織し、ボランティアと共に活動している。  彼のツイッターはその豊富な経験と鋭い洞察力に加え、温かみのある前向きな発言で人気を博しフォロワーは25万人を超えた。
文学界の表舞台から退いた感のある志茂田景樹だが、彼自身が開拓した分野で着々と、彼独自のスタイルとペースを貫いて成長を続けている。
「70代80代で、今以上に多面的な活動を行うつもり(平成25年2月23日 第147回芥川・直木賞の受賞祝賀パーティー翌日のブログより)」の彼の動向からは、まだまだ目が離せそうにない。
2月6日吉良温泉・吉良の庄、2月7日東愛知サロンと三河地方で行われた2回の講演会から、彼の人柄を繙(ひもと)くと同時に、彼が取材した百歳を超えてなお元気な高齢者の生活習慣などを紹介する。

■奇抜なファッションの真意は
作家として文壇に登場した当初は、志茂田景樹のファッションはダンディそのものだった。178cmの長身にトラディショナルなスーツを着こなした彼の姿は、英国紳士とでもいった風貌だった。
それがカラータイツにオーガンジーのヒラヒラTシャツ、何色にも染め分けたまるで南国のオウムのようなヘアースタイルに激変したきっかけは、20数年前小説執筆中に、ホテルにカンヅメになった時であったという。
気分転換に米国帰りの友人にプレゼントされた派手なタイツを履いてみた彼は、なんとその姿のまま東京の街にとびだしてしまった。当然巷の人に白い目でみられ、後ろ指をさされた。
「能力があって社会的地位の高い人の方が、意外と自分と違う価値観を認めようとしないんです」
言葉通り、さまざまな非難中傷に晒されながらもそのスタイルを変えなかったのは、直木賞受賞後くらいから自分の中に燻(くすぶ)っていた「本当の自分でいたい・自己を解放したい」という欲求だった。
「タイツが引き金を引いたんです」
しかし、このことで彼の活躍の場は急速に拡大、一時はメディアで引っ張りだこの「時代の寵児」的扱いを受けたが、もちろんそれは本人の意図するところではなかったという。
「ぼくは自分らしく生きたかっただけ。会社勤めの人なんかは、ぼくのようなことは到底できないだろうけど、自分に付いてるレッテルを1枚ずつ剥がしていくことができれば、生きるのはもっと楽になるはずです」

■長寿に家系は関係ない
志茂田景樹の母は90歳を超えてもいたって健康で、周囲の者も百歳を超えるのは間違いないと踏んでいたのだが、ふとした風邪がもとで体調を崩し、94歳で亡くなった。
2000年に母の七回忌を催したのをきっかけに、全国の100歳以上の元気なお年寄りを取材し、その要因を探ろうと思い立ったのだという。
「せっかく100歳以上の長寿を得ても、寝たきりだったり、車いすのお世話になったり、認知症にかかってしまう方のほうが多い。単に長寿ではなくて、日々楽しく健康に暮らしている100歳の生活がどんなものなのかを知ろうと思ったのです」
そして分かったことは、長寿家系とか遺伝的素質に関係なく、長年の生活習慣や、生活環境で共通する要素がきわめて多いということだった。

□野菜を多食している
□自分で出来ることは、自分でやる
□人生観、信念をもっている
□若い時からよく働いて、手先が器用で足腰がしっかりしている
□趣味や、楽しくやれることを持っている
□1人暮らしでも、肉親や地域の人と積極的にコミュニケーションをとっている

これら6つが特に共通している特徴で、他に好奇心が旺盛であるとか、家事などに自分の役割を持っているなどがあるが、基本的には家人に甘えず体をよく動かし、ストレスをうまく発散しているということだろうか。
「この取材の結果を出版することによって、健康長寿を目指す多くの方々に、ささやかでも福音をもたらすことができればと強く願っています」
調査は未だ続行中だ。

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プロフィール
志茂田景樹(しもだかげき)さん
【本名 下田忠男(しもだただお)】
1940年 静岡県生まれ
1976年 小説現代新人賞「やっとこ探偵」でプロデビュー
1980年「黄色い牙」で第83回直木賞受賞
1984年「気笛一声」 第4回文芸大賞を受賞
1990年代には、バラエティ番組やドラマ番組に出演。
1999年 妻と共に「よい子に読み聞かせ隊」を結成。読み聞かせのほか、不登校児童の支援など社会活動にも積極的に関わる。
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