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親の介護 アルツハイマーの母から学んだこと その十九

親の介護 アルツハイマーの母から学んだこと その十九

10年続いた胃ろう

母が胃ろうをはじめ10年目となる今年、大きな変化がありました。胃ろうを始める際、当時の担当医からは「胃ろうは概ね3年が目途です」と言われましたが、結果的にそれよりもかなり長い期間続きました。2ヶ月ほど前から、熱が出たり、胃ろうの管をお腹に通した部分から液が漏れ出し、ただれるようになったりしたため、一時的に介護病棟から医療病棟に移り、胃ろうを止め抹消静脈栄養法という持続点滴で様子をみることになりました。この方法は腕や足などの表面に近い血管に針を入れるため、薄い栄養しか入れることができず長期の点滴には向かないようですが、幸い1週間ほどで快方に向かい、再び介護病棟へと移り、胃ろうに戻ることができました。

『胃ろうの後をどうするか』が現実に

胃ろうを再開ししばらくは落ち着いていましたが1ヶ月くらいが経ち、液の漏れが再発しました。担当医からは今の状態では胃ろうを続けるのは無理であることが告げられ、これからをどうするかの確認がありました。いよいよ『最終的な措置』をどうするかの選択をする時が来てしまいました。持続点滴で自然に委ねるのか、太い血管にチューブを入れ濃い栄養を摂取する方法のどちらかを選択することになりました。私は迷うことなく後者の措置をお願いしました。母が胃ろうになり『その後』をどうするかで悩んだこともありましたが、今は私なりに「過度な延命措置は望まないが、一般的な医療でできる限りの治療」を基本に考えていました。

最終段階の治療へ

新たな措置は『中心静脈栄養法(IVH)』という方法で、鎖骨・首・足の付け根の太い血管にチューブを入れ濃い栄養と十分な水分を摂ることができるようです。再度、医療病棟へと移り、担当もアルツハイマーが専門の医師に変わりました。
医師からは、おそらく状態は今より良くなる可能性はほとんどなく胃ろうに戻ることもまず無理だろうこと、また今、本人には痛み、苦しみなどの感覚があるかないかわからないがそれがあることを前提に治療をすすめていくことなどの説明と、今回の処置が最終的なものになることの確認があり同意しました。

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