「要配慮者」「避難行動要支援者」とは?①


 「災害時要援護者」という言葉が使われていましたが、平成25 年6 月の災害対策基本法の改正から、高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する人を「要配慮者と表現するようになりました。災害対策基本法では「国や地方公共団体は、災害の発生や拡大を予防し、要配慮者に対する防災上必要な措置を実施しなければならない」と定めています。

 また「要配慮者」のうち、災害が発生し、または災害が発生するおそれがある場合に、自ら避難することが困難な者で、その円滑かつ迅速な避難の確保を図るため、特に支援を要する人を「避難行動要支援者といいます。市町村長は、その把握に努めるとともに、生命や身体を災害から保護するために必要な措置を取ることが定められています。

 東日本大震災では、被災地全体の死者数のうち 65 歳以上の高齢者の死者数は約 6 割であり、障害者の死亡率は全住民の死亡率の約2倍に上りました。災害で犠牲になる人を一人でも減らすためには、避難支援者や地域の人たちが「避難行動要支援者」の情報を共有することが重要になります。

 

出典
・東京都防災ホームページ「災害時要配慮者への支援」
・浜松市ホームページ 防災・消防 など

 

 

 

 

 

要配慮者とは、具体的にはどのような人?

要配慮者とは…高齢者、障害者、難病患者、乳幼児、妊産婦、外国人などの方です

 要配慮者は、災害が発生した場合には、情報把握、避難、生活手段の確保などの活動が、円滑かつ迅速に行いにくい立場に置かれています。また、災害発生から復興するまでの間、社会的な支援やこれまで利用していたサービスは、限定されてしまうおそれがあります。

 したがって、「自助・共助」を念頭に置き、個々の状況に合わせた「事前の準備」を十分に行うことが重要です。こうしたことで、災害時の不安が解消し、また支援を受け易い状況などが整うことになります。

 以下の方々について個々に、日頃の備え、災害発生時、避難の際の留意点などをお伝えします。参考にしてください。

  • ●介護・支援が必要な高齢者
  • ●肢体不自由のある方
  • ●視覚に障害のある方
  • ●聴覚に障害のある方
  • ●内部障害のある方
  • ●知的障害のある方
  • ●精神の障害のある方
  • ●妊産婦、乳幼児のいる親や家族
  • ●保育園児・幼稚園児・小学生
  • ●日本語が不自由な外国人

 

介護・支援が必要な高齢者

日ごろの備え

  • ●自力で動けない人のために、避難時用のおぶい紐を備えておきましょう。
  • ●助けを呼ぶために、笛、ブザー、非常ベルなどを準備しておきましょう。
  • ●援助者は、部屋の整理整頓をして、安全な空間を確保しましょう。

地震などに関連する注意情報が出された時には

  • ●援助者は、出口、避難経路を再確認し、障害物などは取り除いておきましょう。
  • 非常持出し品の確認をしましょう。
  • ●援助者は不安を取り除くように声をかけましょう。
  • ●情報から取り残されないように隣近所に声をかけ、援助を依頼しましょう。

 

災害発生時には

  • ●援助者はまず声をかけ、安否確認を行いましょう。
  • 火の始末を確認するようにしましょう。
  • ●非常ベルが鳴るなどの援助の求めがあった時は、すぐにかけつけて、必要により初期消火や緊急避難の協力をしましょう。

 

避難する時は

  • ●一人で避難させることが困難な場合は、隣近所や自主防災隊などと協力し、複数の人数で避難させるようにしましょう。
  • ●複数の人がそろう時は、担架などで移動させましょう。
  • ●一人で移動させる場合は、シーツや毛布の両端を結んで、これにくるむように乗せて、そのまま引っ張ったり、おんぶ紐でおんぶして避難しましょう。

 

 

肢体不自由のある人

日ごろの備え

  • ●杖や歩行器などを使用している人は、いつも身近に置くようにしましょう。
  • ●車いすなどの補助具が、転倒した家具の下敷きにならないように部屋を整頓し、ゆとりを持った空間を確保しておきましょう。

 

地震などに関連する注意情報が出された時には

  • ●家族が居る時は出口、避難経路を再確認してもらい、障害物などは取り除いてもらいましょう。
  • ●車いす利用者は、家具類などが転倒、落下する恐れのある所から離れましょう
  • ●外出中の場合は、帰宅経路の状況など正しい情報を得て行動しましょう。

災害発生時には

  • ●地震の揺れがおさまるまでは、車いすのブレーキをかけ、近くにある座布団や枕などで頭部を保護しましょう。
  • ●屋外にいる時は、ブロック塀や門など倒壊する恐れのあるものから早く離れるようにし、近くに人が居る時は安全な場所へ誘導をお願いしましょう。
  • ●街が混乱して移動が危険な状況の時は、最寄の防災機関(交番、消防署など)に保護を申し出るようにしましょう。
  • ●火災が発生したら、物をたたくか、大声で付近に火災を知らせ、助けを求めましょう。

 

避難する時は

  • ●家族と一緒に避難場所へ避難し、人手が足りない時は隣近所などにも応援を依頼しましょう。

 

 

視覚に障害のある方

日ごろの備え

  • ●災害情報をすぐに入手するため、常にラジオを身近なところに置きましょう。
  • ●通常の非常持出し品に加え、白杖、点字器なども身近に準備しておきましょう。
  • ●特定の人を決めて、重要な情報を伝えてもらうようお願いしておきましょう。
  • ●家族が居る時は整理整頓をして、安全な空間を確保してもらいましょう。

地震などに関連する注意情報が出された時には

  • ●家族が居る時は出口、避難経路を再確認してもらい、障害物などは取り除いてもらいましょう。
  • ●テレビ、ラジオや行政機関の広報、伝達の内容を注意して聞きましょう。
  • ●近所の人には、家にいることを伝えておき、情報や援助を得られやすいようにしておきましょう。
  • ●屋外にいる場合は、周囲の人に帰宅経路などの状況を教えてもらうようにしましょう。また、駅や街路が混乱している時は周囲の人に援助を依頼しましょう。

 

災害発生時には

  • ●揺れがおさまってから、周囲の人に火気を確認してもらいましょう。
  • ●落下物やガラス片などでケガをしないように周囲の状況を教えてもらいましょう。
  • ●屋外にいる場合は、持ち物や両手で、頭部を落下物から保護します。
  • ●その後、周囲の人に声をかけ、周囲の状況を教えてもらい、安全な場所への誘導を依頼しましょう。
  • ●火災が発生した時には、周囲の人に大声で火災を知らせ、「119番通報」をしてもらいましょう。

避難する時は

  • ●家族へ避難場所への誘導を依頼し、家族がいない時は、隣近所などにも応援を依頼しましょう。

 

聴覚に障害のある人

日ごろの備え

  • ●通常の非常持出し品に加え、補聴器用の電池、筆談用のメモ用紙、筆記用具などを準備し、笛、ブザーなどを携帯しましょう。
  • ●情報を入手したり、自分から状況を連絡できるように、文字情報が受信・発信できる携帯電話やFAXを活用しましょう。
  • ●特定の人を決めて、重要な情報を伝えてもらうようお願いしておきましょう。
  • ●単身生活の人は、隣近所の人から地震の状況や周囲の様子、避難の必要などを教えてもらえるように、日ごろからお願いしておきましょう。

 

地震などに関連する注意情報が出された時には

  • ●テレビなどで注意情報を知った時は、周囲の人にその後の重要な情報を提供してもらえるようお願いしておきましょう。
  • ●屋外にいる時は、周囲の人や関係機関の人に筆談などにより、状況や、帰宅経路の状況などを教えてもらいましょう。

「筆談の様子」イラスト
きき方の例
「警戒宣言が出たのですか?」
「○○まで帰宅できますか?」
「すぐ地震が来るのですか?」

 

災害発生時には

  • ●初期の火災で、手近に消火器などの備えがある時は、初期消火を心がけ、失敗した時は、煙に巻かれないよう低い姿勢で移動し、脱出します。
    また、音をたてたり、合図などで火災の発生を知らせ、援助を求め「119番通報」をしてもらいましょう。
  • ●周囲の人に筆談などで、周りの状況などを教えてもらい、安全な場所への誘導を依頼しましょう。

避難する時は

  • ●非常持出し品などを持ち、単身で生活している人も、できるだけ周囲の人と複数で避難するようにしましょう。

 

内部障害のある方

  • 心臓機能障害
  • 腎臓機能障害
  • 呼吸機能障害
  • 膀胱または直腸機能障害
  • 小腸機能障害
  • 免疫機能障害など

 

日ごろの備え

  • ●通常の非常持出し品に加え、日ごろ服用している薬、装具やその薬品名や、装具の説明を書いたメモ、かかりつけ医療機関を書いたメモを準備しておきましょう。
  • ●災害が発生した時や、通院できなくなった場合のさしあたりの医療的な対処について、かかりつけの医療機関(主治医)から聞いておき、適切な行動がとれるようにしておきましょう。
  • ●常用薬や特殊な治療食の蓄えについても、かかりつけの医療機関に相談して、準備しておきましょう。
  • 在宅療養中で人工呼吸器を装着している人は、災害時の非常用電源を確保するため、人工呼吸器の非常用外部バッテリーや発動発電機を準備しておきましょう。
  • ●常に就床を要する身体に重度の障がいのある方は、介護用ベッドに防護フレームをつけるようにしましょう。

 

地震などに関連する注意情報が出された時には

  • ●医療機関に連絡し、以降の対処について指示を受けるようにしましょう。

 

災害発生時には

  • ●帰宅できない状態で、差し迫った治療の必要のある場合は、最寄の医療機関などに相談しましょう。人工透析が必要な人には、透析可能施設の情報がNHKラジオなどの公共放送から提供されます。

 

避難する時は

  • ●周りの人に自分の障がいのことを知ってもらい、遠慮せずに必要な手助けを頼みましょう。

 

 

続きは「『要配慮者』『避難行動要支援者』とは?②」をご覧ください。

 

 

出典

東京都防災ホームページ「災害時要配慮者への支援」

浜松市ホームページ 防災・消防 など

 

 

WEBワライフ「『要配慮者』『避難行動要支援者』とは?②」

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