生活習慣病予防=健康長寿について


医療法人秀麗会山尾病院 看護・介護部長
糖尿病看護認定看護師 日本糖尿病療養指導士

兵頭 裕美 氏

 

「全国生活習慣病予防月間」を知っていますか?

 生活習慣病の一次予防を中心に、その普及・啓発を行う一般社団法人日本生活習慣病予防協会では、生活習慣病予防に対する国民の意識向上と、これによる健康寿命の伸長を目指し、毎年2月を「全国生活習慣病予防月間」と定め、広く啓発活動を行っております。

 月間では「”一無・二少・三多”による生活習慣病予防」をメインテーマに、年度テーマと併せて情報発信を実施しており、今年は “少食”にフォーカスし、様々な活動を行っています。

 

2018年度テーマ「少食」とは?

 昔から「腹八分目に医者いらず」と言われているように、暴飲暴食を控えることは、身体の機能を健康な状態に維持していく上でたいへん重要です。量だけではなく、塩分・糖分の摂り過ぎにも注意が必要。また、日々のストレスの軽減も、ストレスのせいで食べ過ぎてしまうことを防ぐために重要で、健康な食生活に繋がります。食事療法という言葉が糖尿病、脂質異常症、高血圧の予防・治療に使われることからも、健康長寿の基本は常に食生活にあります。

 

1月23日は『一無、二少、三多の日』

 生活習慣病とは「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が発症・進行に関与する疾患群」と定義されます。喫煙、飽食、大量飲酒、運動不足、不十分な休養、ストレス過多等改善のために、日本生活習慣病予防協会では健康標語『一無、二少、三多(いちむにしょうさんた)』のライフスタイルを提言しています。2017年に1月23日を『一無、二少、三多の日』として記念日登録しました。

 

一無、二少、三多とは?

一無(いちむ)「無煙・禁煙の勧め」

一無とは禁煙の勧めです。 

 「タバコの三悪」とは、タバコによってからだに運び込まれるニコチン、タール、一酸化炭素です。こういう身体に悪影響をもたらすタバコについて、「健康日本21」は、特に若年者における喫煙をゼロにするという大きな目標を掲げスタートしています。

<タバコの三悪>

ニコチン:糖代謝や脂質代謝に異常を引き起こし、糖尿病や脂質異常症などのリスクを高めます。中枢神経系の興奮と抑制が生じ、心臓・血管系への急性影響をもたらします。

一酸化炭素:有毒物質。赤血球のヘモグロビンと強力に結びついて一酸化炭素ヘモグロビンを形成し、血液の酸素運搬機能を妨げます。これを補助するために赤血球が増えた状態(多血症)になり、血液をどろどろにして血栓をつくります。

タール:さまざまな発がん物質、発がん促進物質、その他の有害物質が含まれています。

 

二少(にしょう)「少食・少酒の勧め」

二少(にしょう)は、少食・少酒の勧めです。 

<少食「腹八分目に医者いらず」>

 昔から「腹八分目に医者いらず」と言われているように、暴飲暴食を控えることは、身体の機能を健康な状態に維持していく上でたいへん重要です。食事療法という言葉がよく生活習慣病で用いられることからも、糖尿病、脂質異常症、高血圧の予防・治療の基本は常に食生活にあります

 常に腹七~八分目で。1日の塩分は男性8g以下、女性7g以下にして、お腹いっぱい(満腹)まで食べる習慣をやめ、腹七~八分目くらいでやめるよう心がけましょう。偏食をせず、よく噛んで、三食を規則正しく食べましょう。

 もっとも望ましい組み合わせは、主食と一汁三菜、それに果物、乳製品といわれています。よく噛んで、三食を規則正しく食べ、偏食をしないことが重要です。特に「3つの白を控える」ことと、「食物繊維を豊富に摂る」ことが重要です。「3つの白」の第一は白米・白パンの白、次は食塩の白、そして三番目は砂糖の白です。いずれも食べすぎ、摂りすぎに注意してください。

<少酒「万の病は酒よりこそおこれ」

 さまざまな生活習慣病がアルコールと密接に関わっていて、大酒をすれば多くの疾病が誘発される可能性が高まります。「健康日本21」のなかでは、アルコールに関して1日20g(日本酒に換算して一合程度)の摂取が望ましいとされています。「百薬の長とはいへど、万の病は酒よりこそおこれ」という言葉もあるとおり、アルコールをたくさん飲める人でも、1日にその程度の飲酒量が望ましいということです。

 1日の摂取量は日本酒で1合程度まで。アルコールは少量であれば良薬ですが、飲み過ぎにはご注意を。できるだけ控えるようにして、飲む場合でも日本酒換算で1日1合程度(アルコール量:約20g)までにしましょう。

 

三多(さんた)「多動・多休・多接の勧め」

三多(さんた)は、体を多く動かし(多動)、しっかり休養をとる(多休)、多くの人、事、物に接する生活(多接)の勧めです。

 運動については、「2本の足は2人の医者」という格言があります。この格言に則って、良く歩きましょう。身体活動をできるだけ多くして、しっかり毎日の生活の中で維持しましょう。そして、身体を動かした後は、しっかりと休養をとることが重要です。メリハリのある生活は、健康長寿には欠かせない要素です。

<多動「2本の足は2人の医者」>

 1日に20分の歩行を2回。体操・筋力トレーニングを各10分 身体を活発に動かすことは、健康づくりに欠かせません。まずはよく歩くことが大切です。日常生活の活動量を増やして身体活動を高めましょう。

 

 

 

<多接「多くの人、事、物に接して創造的な生活をする」>

 そして、多くの人、事柄、物に接して、創造的な生活を行うこと。年がいくつになっても社会に貢献できる、そういう心持ちが若さを維持させてくれます。そういう生活を送ることができるように工夫を凝らし、何かを常に創り出すような趣味をもつことをお勧めします。例えば俳句や絵を描いたりと、必ずしも仕事とは関連がなくても、趣味豊かに創造的な生活を送ることが健康長寿に欠かせない条件です。多くの人と交流し、さまざまな物、事柄に興味をもち、接することで創造的な生活を送りましょう。趣味や目的をもって生活している人は、何歳になっても生き生きしているものです。

 

健康長寿を目指して取り組む生活習慣病予防

 このほかにも、日本生活習慣病予防協会のホームページでは、高血圧、脂質異常症、糖尿病をはじめとしたさまざまな生活習慣病予防に役立つ情報を提供しています。誰もが望む「健康長寿」のために、今からできることをできる範囲で始めてみませんか?

 

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