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これならできる!糖尿病の食事療法

医療法人社団福祉会 高須病院 看護部 副看護部長
糖尿病看護認定看護師 日本糖尿病療養指導士
兵頭裕美

 

今回から糖尿病療養についてのお話をさせていただきます。第1回目の今回は、食事についてです。「糖尿病の食事」は「健康のための食事」なので、糖尿病をお持ちでない方もぜひ参考にしてください。

糖尿病の食事療法は、運動療法とともにすべての糖尿病患者さんの治療において基本となり、よく「車の両輪」として例えられます。患者さんも食事療法の実践により血糖コントロール状態が改善でき、合併症の発症予防や進展の防止につながることを十分に理解されていると思います。ただ、患者さんの中には「食事療法は難しい」「理想を言われても実践できない」といった感想や「我慢を強いられる」とのイメージをお持ちの方がみえるのではないでしょうか。そのような方へ、「これならできるかも」「やってみようかな」と思っていただけるように、食事療法への最初の一歩のハードルを下げるお話しをします。

まずはチェックしてみましょう

 無理をせず続けられる目標を見つけるために、今の食べ方に問題はないか考えてみましょう。

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食事療法の3つのポイント

ポイント1
適切なエネルギー(カロリー)量を守る

必要以上に食べ過ぎないことが大切です。食べ過ぎていると感じる人は腹八分目を心がけましょう。
ポイント2
規則正しく食事をとる

1日3食を食べるようにし、間食はできるだけ避け、食事と食事の間隔を十分に空けましょう。

また、3食の量はほぼ均等になるように配慮しましょう。

ポイント3
バランスの良い食事を心がける

おにぎり、ざるそばなどの炭水化物だけの食事は、エネルギー(カロリー)が低くても、食後の血糖値は急激に上がりやすくなります。急な血糖上昇を防ぐことや必要な栄養を補うためにもバランスよく食べることを心がけましょう。ただし、腎臓の働きが低下するなど、糖尿病合併症の進行によっては、食事内容に特別な配慮が必要になることがあります。詳しくは医師、管理栄養士に確認してください。

食事療法がうまくいくためのコツ!

 バランスよく食事をするにはどういったことを考えていけばよいでしょうか?
食事をつくる際には、バランスがそろうよう順番にメニューを考えていきましょう。食事をつくらない人も食べるときにバランスがそろっているか確認してみてください。
毎食確認したい3つのステップ

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適切な量や栄養バランスを考えるために便利なものとして「食品交換表」というものがあります。「食品交換表」は一般の書店で購入できますので参考にしてみてください。

外食だって少しの工夫でバランスがよくなります!
難しく考える必要はありません。外食を食べる場合でも、少しの工夫でバランスよい食事に近づけましょう!

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ご存知ですか?ジュースやお菓子のカロリーと含まれる砂糖の量
のどが乾いたらジュースをゴクゴク・・・、おやつもこれくらいなら・・・、とジュースや菓子類を食べたり飲んだりすることが習慣になっていませんか?

ジュースや菓子類は、皆さんが考える以上にエネルギー(カロリー)量が多く、砂糖や油脂類をたくさん含んでいます。そのため血糖コントロール、体重コントロールが乱れる原因になります。まずは、ご自身の食生活を見直してみましょう。

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いかがですか?ちょっとした工夫でできそうな気がしませんか?普段あまり意識していない飲料やおやつもちりも積もれば山となる・・・逆に何気なく口にするもののカロリーや砂糖量を知ることでちょっと気をつけられれば、少し減らすだけでも長い目でみれば効果があるはずです。

ここで、この記事を読んだのも何かのご縁、「じゃあ明日から・・・」なんて言わず、さあ、今から始めましょう!ちょうど季節も春。物事を始めてみるのにいい季節だと思いませんか?
次回は、糖尿病の運動療法についてお伝えする予定です。

引用・参考文献
①稲垣暢也 監修:『モチベーションUP!糖尿病教室』: 南山堂:2013
②日本糖尿病学会 編 『糖尿病食事療法のための食品交 換表』第7版:文光堂:2013

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