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日本の介護・医療の現場 シリーズ④成年後見制度

ワライフ5月号では市町村の高齢者在宅復帰の推進と共に病状の重い方、帰る家の無いご老人の安住の地について、また3障害(精神障害・知的障害・身体障害)の新しい仕組み「障害者総合支援法」についてお話しいたしました。では身寄りのない高齢者の方、認知症、知的障害あるいは精神障害方々の財産はどのように守れば良いのかという疑問が生じます。今回はそのお話しに触れてみようと思います。「老後の蓄え」「資産運用」「遺産相続」等、この様な高齢社会で障害者のお金に関係する話題をよく聞くようになりました。その中で「老後の金銭的な不安」を良い事にして「判断能力の低下」につけこむ悪徳業者があとを絶ちません。このようなトラブルから障がいの方々を守る制度が成年後見制度です。

 

成年後見制度とは

認知症知的障害精神障害などの理由で精神的能力・判断能力が不十分になった人を法律面や生活面で保護・支援する仕組みです。具体的には、当事者に対して「後見人」という形で支援者をつけ、その生活をサポートします。介護保険制度が「身体的能力が不十分になった人を支援する」のに対し、成年後見制度は「精神的能力・判断能力が不充分になった人を支援する」事でこれらの制度は「高齢社会を支える車の両輪」と言われます。

 

成年後見制度の種類とは

法定後見制度」と「任意後見制度」の2種類があります。両者の大きな違いは「後見人を決める時期」なのです。「法定後見制度」が既に判断能力が衰えている人に対して、裁判所が後見人を決定するのに対し「任意後見制度」では、被後見人が元気なうちに自らが後見人を決めておく事です。後見人の役割は、被後見人の判断能力の低下具合に応じて「後見」「保佐」「補助」の3種類に分類されます。また、後見人がその者に応じて「親族後見人」親族の場合と「専門職後見人」弁護士、司法書士や社会福祉士がなる場合があります。「市民後見人」地域の市民がなる場合の3種類に分類されます。

 

成年後見人制度における後見人の主な職務とは

・不動産や預貯金などの財産管理
・身のまわりの世話のための介護サービスや施設への入所に関する契約締結
・遺産分割の協議の代理
・悪徳契約の被害防止のための契約解消に関わる権利の執行
等です。判断能力が不十分になった人の生活をサポートする成年後見制度は、認知症高齢者を支えるために必要不可欠な制度ですが「必要性に対して利用している人が少ない」事が今後の課題です。将来的に認知症になる可能性がある軽度認知障害の高齢者は約400万人、認知症高齢者を含めると「高齢者の約28%が成年後見制度の必要性がある」と言われております。成年後見制度自体に多くの問題があり、その一つは後見人が代理権限を悪用し、不正や資産の私的使用をすることも出来てしまう点です。更に後見人の待遇/育成環境の整備が進んでいない点の2点です。この様に後見人を取り巻く環境が良いものとは言えず敬遠され、専門職/市民後見人の数が頭打ち気味になっているのが現状です。

 

成年後見制度の今後

認知症高齢者増加と共に成年後見制度は今後ますます重要になってきます。「ご高齢の方々や障害を持っておられる方々が安心して暮らせるように見守る」という本来の姿で地域人々・繋がり・体制を巻き込むような後見人制度へと展開する事こそ重要ではないかと考えます。

 

加藤 仁 氏 
生年月日:S22年(1947)3月3日
ユニオン・ホールディングス株式会社・代表取締役・社長
特定医療法人・共和会・最高顧問
社団医療法人・大仲会・理事長
愛知県医療法人協会・参事

 

 

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