外見上はわからない場合でも、障害によって困っている人がいます!①「障害の理解」編


外見上はわからない場合でも、障害によって困っている人がいます

 公共の場などで障害のある方が困ってのを見かけ、声をかけたり。手助けをしたりした経験をお持ちの方も多いと思います。しかし見た目ではわからなくても実は障害に持っていることにより困っている人もいます。外見上わからない場合、困っていることに気づかなかったり、また気づいても、どういう状態なのか、どういうサポートすればいいのかわからなかったりすることもあると思います。

 発達障害、知的障害、精神障害のある方には、さまざまな症状のある人がいて、自分では コントロールできないために、周囲の人の手助けや配慮を必要としている人がいます

 そこで今回は国土交通省が出している「発達障害、知的障害、精神障害のある方とのコミュニケーションハンドブック」から、障害についての説明と障害を持った人が困っている時の具体的な応対などについてご紹介します。

 

手を貸してほしいのに、合理的配慮の提供を受けられないことも

 平成28年4月、障害者差別解消法が施行され、障害を理由とする差別を解消するための措置として、民間事業者に対して「差別的取扱いの禁止(法的義務)」及び「合理的配慮の提供(努力義務)」が課されることになりました。

 発達障害、知的障害、精神障害のある人は、外見からは障害があることがわかりにくく、その 症状や反応が多様であり、人とのかかわりあいやコミュニケーションが苦手であるといった特徴がありま す。このため、自立に向けた社会生活を送る上で、公共交通機関や公共施設、商業施設などを利用する際に、 障害により手を貸してほしい場面、通常と違う応対が必要な場面などにおいて、合理的配慮の提供を受けられないなどの可能性があります。 そこで、発達障害、知的障害、精神障害のある人の特徴や困っていることなどを理解しておくことが重要です。

 

まずは障害について知ろう!

障害の種類

 「障害」の種類には、①身体障害②知的障害③精神障害(発達障害を含む)④その他の心身の障害があります。(障害者基本法)

 また障害者手帳には、身体の機能に障害があると認められた方に交付される「身体障害者手帳」、精神の状態に障害 があると認められた方に交付される「精神障害者保健福祉手帳」、知能の発達に障害があると認められた方に交付 される「療育手帳」の3つがあります。療育手帳は、自治体によって「みどりの手帳」「愛の手帳」といった名称 がつけられていたり、等級の付け方も異なります。ただし、障害者の方がすべてこの手帳を持っているわけでは ありませんので、この手帳の有無にかかわらず、配慮が必要です。

 

障害者の数

 知的障害者数は74.1万人、精神障害者数は320.1万人、知的障害者数と精神障害者数を合計した394.2万人は身体障害者数 393.7万人と同程度です。また、発達障害者数は、義務教育段階の全児童生徒数1,031万人のうち、6.5%程度(約67万人)と推計されています。(高校生以上の発達障害者数は含まれていません。)

【H27障害者白書データ、文科省データ(H24年調査に基づく推計値)】

 

障害の理解

 発達障害、知的障害、精神障害の原因は多様です。また、重複した障害がある人もいます。 下記は「障害の特徴」の主なものです。ただし、 障害の現れ方は人によって異なることに留意が必要です。

 

発達障害とは?

 発達障害とは、自閉症スペクトラムアスペルガー症候群などの広汎性発達障害(PDD)、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、トゥレット症候群等のチック障害吃音など、 脳機能の障害であって、通常は低年齢において症状が発現する障害です。大人の方でも同様の障害がある方がいます。また、発達障害は重複することが特に多いという特徴があります。

 

 

主な特徴

  • ●こだわりが強く、突発的な出来事や予定の変更への対応が苦手な人もいます。(PDDなど)
  • ●時間の感覚がわかりにくかったり、不快と感じる音を聞き流せない人もいます。(PDDなど)
  • ●相手の話が理解できない、思っていることをうまく伝えられない人もいます。(LDなど)
  • ●読み書きや計算が苦手な人もいます。(LDなど)
  • ●興味のあるものをすぐに触ったり、手に取ったりせずにはいられない人もいます。(ADHD  など)
  • ●目的もなく歩き回ったり、そわそわして休みなく動いている人もいます。(ADHDなど)
  • ●自分の意思とは関係なく、身体が動いたり、声や言葉が急に出たりする人もいます。(トゥレット症候群等のチック障害など)

 

 

知的障害とは?

 知的障害とは、概ね幼少期までに脳になんらかの障害を受けたために知的な発達が遅れ、複雑な判断や計算などに支援が必要な障害です。適切な支援を得ながら、社会で活躍されている方もいます。また特別な支援を必要としない方も大勢います。

主な特徴

  • ●話の内容を理解できなかったり、自分の考えや気持ちを表現することが難しく、コミュニケーションを上手にとれないことがあります。
  • ●複雑な話や抽象的な概念の理解が不得手な人もいます。
  • ●判断したり、見通しをもって考えることが苦手な人もいます。
  • ●読み書きや計算が苦手な人もいます。
  • 困ったことが起きても自分から助けを求めることができない人もいます

 

 

精神障害とは?

 精神障害とは、統合失調症気分障害(うつ病など)てんかん等の様々な精神疾患により、日常生活や社会生活のしづらさを抱える障害です。適切な治療・服薬と周囲の配慮があれば症状を コントロールできるため、大半の方は地域社会の中で生活しています。

主な特徴

  • ●ストレスに弱く、緊張したり、疲れやすかったりします。
  • ●人と対面することや対人関係、コミュニケーションが苦手な人もいます。
  • ●警戒心が強かったり、自分に関係ないことでも自分に関係づけて考えたりすることがあります。
  • ●若年期の発病や長期入院のために社会生活に慣れていない人もいます。
  • ●統合失調症には、幻覚や妄想の症状のある人もいます。
  • ●てんかん発作には、一瞬足がピクンとしたり、短時間ぼんやりするだけの小さな発作から、全身けいれんまで、様々な症状があります。

 

出典

国土交通省「発達障害、知的障害、精神障害のある方とのコミュニケーションハンドブック」より

 

WEBワライフ「外見上はわからない場合でも、障害によって困っている人がいます!②「基本の応対その1~コミュニケーション~」編

WEBワライフ「外見上はわからない場合でも、障害によって困っている人がいます!③「基本の応対その2~パニック時の応対と緊急時・異常時の応対~」編

WEBワライフ「外見上はわからない場合でも、障害によって困っている人がいます!④コミュニケーションツール編

WEBワライフ「外見上はわからない場合でも、障害によって困っている人がいます!⑤「トラブル時の対応」編

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