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【医療】乳がんにおけるPET検査(平成24年8月号掲載)

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乳がんにおけるPET検査

PET 検査は、乳がんにおいても有効な検査です。PET検査は全身を撮影するので、その状態が1度でわかります。そのため乳がんの早期発見、病期診断、再発診断 等にも使用できます。検査で使用する薬剤はブドウ糖に放射性同位元素を標識したもので、副作用は皆無に近く安全です。検査方法は、自然に寝ているだけで終 わる楽な検査です。

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■早期診断におけるPETの役割
図1・2は当センターでPET健診を受けられた方です。マンモグラフィー(図1)では小石灰化もなく、結節影も認めず、健全な乳房です。しかし、PET画 像(図2)では左乳房に集積(赤矢印)を認め、生体組織検査の結果乳がんでした。この方は、PET検査を行ったために早期の乳がんを見つけることができま した。

 

 

 

 

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■病期診断におけるPET検査
図3は既に生体組織検査を行って乳がんと診断された方が、治療前に転移の状況を知るためにPET検査を行った結果です。他の検査ではどこまで転移が広がっているのかの診断は困難です。PET検査はがん細胞があれば検出可能です。乳がん(→)、リンパ節転移(→)が一目でわかります。リンパ節転移は、腫大していなくてもPET検査では見つけることができます。

 

 

 

 

 

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■転移・再発診断におけるPET検査
左乳がんと診断され全摘術、抗がん剤治療された方です。術後の経過観察で、腫瘍マーカー(注1)上昇にて再発を疑いCT検査を行いました(図4上段単純、中断造影検査)が、再発を見つけることができませんでした。しかしPET検査を行ったところ、左前胸壁のリンパ節転移(図4下段、図5の→)見つけることができました。

 

 

 

 

 

 

■PETの役割
PET検査はがんの早期発見、病期診断、転移・再発診断、治療効果判定に有効で、1度の検査で全身のがんがわかります。
乳がんを調べる検査としてマンモグラフィー、超音波検査、MRI検査などがあり、それぞれの長所がありますが、早期乳がんの存在診断から転移・再発まで全身状態を診断できるのはPET検査のみです。

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(注1)腫瘍マーカー
ガンが生み出す特殊な物質。健康時にはほとんどない特殊なタンパク質や酵素、ホルモンなどを採血検査によって測定し、ガンの経過観察に用いるなどする。
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